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今後80年間で海水面は 1m上昇:土地も家も海に呑み込まれる! (BBC-Science & Environment, October 26, 2018)

https://ichef.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/427F/production/_104032071_c0244826-whitehaven_harbour_storm-spl.jpg

 子どもの頃は、まだ「白砂青松 (はくしゃせいしょう)」と呼ばれる海岸の景勝地が、全国の至る所に残されていた。しかし、そのほとんどが、この半世紀の間に海岸浸食で徐々に消え、わずかに残った浜辺も大量のプラスチック・ゴミで埋まった。あれほど美しかった日本の海岸線も、薄汚れたコンクリートの防波堤とゴミの山が延々と続く、おそましい風景に変わった。

 しかし、変わったのは日本だけではなかった。日本と同じように四方が海で囲まれたイギリスでも、海岸線の崩壊が始まっている。
 「The Committee on Climate Change (英国気候変動委員会 CCC)」が発表した調査報告によると、今後、80年間で (今の子どもたちが生きている間に)少なくとも 1mの海水面上昇が予想され、沿岸地域に居を構える住民は「coastal flooding and erosion (沿岸洪水と海岸浸食)」によって、その住居も農地も全て失うリスクに曝されているという。

 海に面した沿岸地域は、どの国も事情は似たようなもので、住民の生活は平均水準以下で、その上高齢化が進んでいる。
 政府は、気候変動に起因する災害には十分に対応できるとするが、「現行の海岸線管理計画 (current shoreline management plans)」でさえ財源不足に悩んでおり、CCCによると、政府の見通しは「hopelessly optimistic (あきれるほど楽観的)」。

 沿岸地域の住民は、今後、海水面が上昇することについては分かっていても、それによってどのような災害のリスクが発生するのかについては、明確かつ正確な情報を知らされていない。現在、「断崖上の地所 (cliff-top properties)」10万ヶ所が海岸浸食によって崩落の危機にある、しかし、たとえ、住居を失っても、保険 (insurance)も補償(compensation)も皆無の状態だ。

 さらに、Englandの沿岸部一帯で、海水面がジワジワと上昇し、沿岸洪水が襲って

・道路:7,500km
・鉄道:520km
・農地:205,000ha
・有害廃棄物処理場 (埋立地):3,400ha

が海の中に消失する確率は、今後、毎年0.1%ずつ上がる。他に海に飲み込まれるリスクの高いのは発電所、港、ガス・ターミナルその他の国の資産箇所。

 海水面が50cm上昇するだけで、Englandの「沿岸保全設備 (coastal defences)」の20%が崩壊のリスクに曝される。ただし、海岸線の自然環境の悪化すなわちsaltmarshes (塩性沼沢), shingle beaches (礫浜), sand dunes (砂丘)が今以上の速さで消失するようであれば、沿岸保全のリスクはさらに高まるものと予想される。

 なお、現在、沿岸洪水のリスクが高い地所は、Englandだけで 52万件 (住宅37万軒)。そのリスクは毎年0.5%ずつ上がり、2080年になると、被害が想定される地所が 150万ヶ所 (住宅120万軒)に広がる。加えて、今世紀末になると、「沿岸洪水・海岸浸食」の被害リスクは

・幹線道路:1,600km
・鉄道:650km
・駅:92ヶ所
廃棄物処理場:55ヶ所

に及ぶと推測されている。 

 ところで、日本は大丈夫か。政府関係者は、福島原子力発電所の建設・運転あるいはその事故と同様、こんなセリフを繰り返すだろうか。「そのような災害事故は絶対にありません。たとえあったとしても、命に別状があることではありません。」と。

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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