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子どもの風邪(cold)に:お勧め「できる薬」と「できない薬」 (BBC-Health, October 11, 2018)

https://ichef.bbci.co.uk/news/768/cpsprodpb/10A0E/production/_103801186_gettyimages-157568769.jpg

 『風が吹くのは、恋人が会いに来てくれる前触れ』。なんとも粋 (いき)ではないか。上代の大和びとはそんなふうに考えた (大野晋:古典基礎語辞典、角川学芸出版、2011)。
 しかし、風はときに邪気も運び、これによって人は病に罹(かか)る。それが風邪 (cold)だった。

 ところで、薬局の店頭には各種・各社の感冒薬が競うように並んでいるが、「a BMJ review」によると、その効能に関する「evidence (科学的な根拠)」が明確な製品は少ないという。
 そこで、「The Royal College og Paediatrics and Child Health」の Dr Pahul Chodlhanは、「やっかいな風邪の諸症状 (irritating symptomes)」対策を、子どもの治療を中心に、次の5項目にまとめた。

1.予防 (Prevention)
風邪は、そのほとんがウイル性感冒。人から人へと感染し、とくに子どもが罹りやすい。これに感染すると、次のような症状がでる。

・cough:咳 (せき)
・sneezing:鼻水
・congestion:鼻づまり
・sore throat:のどの痛み (咽頭炎)
・raised temperature:発熱

したがって、風邪の予防の第1は、お湯と石けんで手を良く洗うこと。そして風邪を引いたら、手で目や鼻に触らないようにすることだ。

2.Dr Chodhanが勧める治療薬 (Recommended medicines)
・Congestion (鼻づまり)
 鼻づまりには、鼻腔内を清浄する食塩水点鼻液 (saline nasal washes)」あるいはそのスプレーが有効。副作用がないため、1日何回でも使用できて、鼻の周りの「swelling (腫れ)」も引いてくれる。
・Raised temperature (発熱)
 子どもが熱を出したときは、「Paracetamol (パラセタモール)」あるいは「Calpol (カルポール)」とも呼ばれる解熱鎮痛剤が有効。ただし、この薬は鼻づまりには効果なし。

3.お勧めできない治療薬 (Not recommended)
①Decongestants (鼻炎薬)
 市販の鼻炎薬は、炎症を抑えて鼻づまりを軽減する薬。しかし、副作用が強いため、12歳以下の子どもには使用しないようにと、NHSが注意を呼びかけている。成人でも、その服用期間は最大3 - 6日。なお、「BMJ research」によると、鼻炎薬は「nasal symptoms (鼻の諸症状)」に対して「a small effect (効果が薄い)」。
 さらに、鼻炎薬の副作用として
 ・drowsiness:眠け
 ・stomach upsets:胃もたれ
 ・headaches:頭痛
 ・insomnia:不眠症
が挙げられ、鼻炎薬を長く使い続けると、
 ・chronic nasal congestion:慢性の鼻づまり
になる恐れがある。

②Cough syrup (咳止めシロップ)
 咳止めシロップを子どもに使うと、咽 (のど)の奥から「mucus (粘液)」をはき出せなくなってしまうため、Dr Chodhariはこのシロップを薦めない。
③Antibiotic (抗生物質)
 抗生物質は細菌感染症だけに有効で、ウイルス性の風邪にはまったく効果なし。
④Vapour rubs & steam inhalation (ヴェイパー・ラブと蒸気吸入)
 塗り薬「vapour rubs」も蒸気吸入もやめた方かいい。

4.効果が確認されていない予防・治療法 (Little evidence for home remedies)

・heated humidified aira:加湿温風
・humidified steam:加湿蒸気
・echinacea:エキナシア
・probiotics:プロバイオティックス
eucalyptus oil:ユーカリ
・supplements (vitamin C, zinc or garlic):ビタミンC、亜鉛、ガーリックのサプリ

5.専門医の診察が必要なとき (When you should make an appointment to see your GP)
 普通の風邪は、脱水症にならないように水分をたくさん摂って、暖かくしていれば、1 週間ほどで、独りでによくなるもの。しかし、子どもに次の症状が見られたら、病院に駆けつけた方がいい。

・子どもが38.5℃以上の熱を出した
・体に発疹 (rash)が出て、なかなか消えない
・風邪の症状が何日も続いて、なかなか良くならない


                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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