地球上のスズメやイヌ・ネコに、悪いことをするスズメ、イヌ・ネコと、良いことをするスズメ、イヌ・ネコは存在しない。ところが、「ヒト属 (Homo)」は違う。悪いことをする人間は世界中にいくらでもいる。
さらに悪いことに、悪知恵の働く人間は、自分の利益のために悪いことをしても、それを「人のため」とか「国のため」などとうそぶく。
ドイツ VW, BMW, Mercedes-Benzなどの自動車メーカー各社は、自社のディーゼル車が厳しい排ガスの環境基準をクリアしていると、長い間ウソをついた。そのウソが露見すると、購入者を騙 (だま)した理由は「雇用を守るため」と弁解する。
またナミビアなどアフリカの一部の国では、象牙や野生のチンパンジーの密輸業者が暗躍し、レバノン、アフガニスタンでは「cannabis (大麻)」を堂々と栽培している。そして、皆、口々に「他に生計の手立てがない」と言いわけをする。
さらに某国では、駐車禁止区域の路上や一般道の歩道にとめた暴力団、建設業者ときに政治家の車に対して、警察は見て見ぬふりをする。
住宅地にありながら早朝から日没後も、あらん限りの怒声を張り上げて野球に興じる実業高校の生徒に対しては、騒音規制法があっても、これを規制しようとはせず、日頃、「正義」の 2文字を旗印に掲げる新聞・マスコミさえ、その「若もの(adolescents)」の「behaviour (素行)」には目もくれず、ひたすら、高校野球の「勝った、負けた」に大騒ぎする。
常のことながら、悪人は巧妙に権力者の心をくすぐり、「法の網と人の監視の目」をくぐり抜けて、自分の「利 (benefits)」を追い求める。
さて、モロッコ、レバノン、アフガニスタンなどで大量に栽培される「cannabis (大麻)」。それはやがて、世界中の若ものの手に渡る。
Montreal大学の Partricia J. Conrod教授らの研究グループは、大麻が健康に与える影響を明らかにするために、カナダ人の若もの 3,800人を対象にした、4年間にわたる健康追跡調査を実施した。(研究内容の詳細は医学雑誌「Psychiatry」に掲載)
その結果、なんと「ティーン・エイジャー (teenagers」の28%が大麻を吸って、75%はお酒を飲んでいることが分かった。お酒を飲み過ぎると、脳がダメージを受ける。
その上、「cannabis (大麻)」を吸うと、どうなるか。
とくに脳の発達段階にある若ものの場合、大麻を吸うことによって、脳の発達は止まり、「psychotic illnesses (精神疾患)」の発症リスクが高まる。また、躁・うつの闇に苦しむ「mood swings (気分変動)」や「sleeping problems (睡眠障害)」に引き込まれる。
加えて、次のような「認知能力 (cognitive ability)」が長期にわたってダメージを受ける。
・thinking skills:思考力
・memory:記憶力
・behaviour:品行
・learning:学習力
・attention:注意力
・decision-making:意思決定力
・academic performance:学業成績
・working memory:作業記憶
・reasoning:論理思考力
・ability to control of behaviour:自律力
結論:「cannabis (大麻)」の誘惑に負けてはならない。それは若ものの脳を破壊し、品行悪しき、頭の悪い人間 (twits)に仕立て上げる悪魔の道具だ。若ものは、どんな悪にも毅然と立ち向かう気概を養うことだ。それが「ヒト属 (Homo)」の本当の「進化(evolution)」につながる。
(写真は添付のBBC Newsから引用)