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ナメクジはのろのろの夜盗:その撃退法を試みた! (BBC-Science & Environment, September 27, 2018)

https://ichef.bbci.co.uk/news/936/cpsprodpb/1032C/production/_103584366_lettuceandslugscredithayleyjonesrhs.jpg

 海牛 (ウミウシ)とは、昔の人はよく言ったものだ。確かに牛のように頭には角 (つの)がある。しかし、その姿は陸上の牛とはかけ離れたもの。まるで、薄絹の衣をまとった淑女のように、華麗で厳 (おごそ) かに浅瀬の岩場をゆっくりと泳ぎ回る。海牛は汚れた海域では住めないため、海牛が見つかる岩場には、クロモなどの海草が生え、フグが泳いで、サザエが潜んでいることが多い。
 
 ところが、この海牛を英語では「sea slugs」と、なんとも味気ない名前で呼ぶ。「slugs」とはナメクジのことだ。確かに、海牛 (ウミウシ)は、ナメクジやカタツムリ(snails)と同じ仲間の「gastropods (腹足類)」だが、ナメクジと同じように扱われては、少々かわいそうな気がする。

 さて、英語の「slugs」は、かってバイキングが話していたScandinavian (スカンジナビア語)の「のろま、なまけもの」という意味の「slugga」に由来する。
 ナメクジは夜行性で、日中はプランター、植木鉢などの底に隠れていて、夜になると、まるで夜盗のように活動を始める。野菜や花、柔らかい葉っぱを片っ端から食い荒らす。
 農家や園芸家にとっては、人が寝ている間に動き回る、手強い相手だ。

 そこで「The Royal Horticulture Society (王立園芸協会RHS)」の Dr Haley Jonesらの研究グループは、「一般家庭で採用されているナメクジ撃退法 (home remedies)」が、果たしてレタス・ポット栽培に効き目があるのか、実際に試してみた。

 その対策法とは次の5種目
・Copper tape:周りに銅テープを張る
Sharp grit:粗めの砂を撒く
・Pine bark:パイン・バークを敷き詰める
・Wool pellets:ウール・ペレットを敷き詰める
・Egg shells:卵の殻を置く

 その結果、どのナメクジ撃退法も効果がなかった。つまり、これまで効果ありとされて来たやり方でナメクジを撃退しようとしても、それは時間とお金の無駄だと分かったという。
 ナメクジなどの腹足類は、体の表面が粘膜 (a film of mucus)で覆われているため、砂、タマゴの殻など物ともしないのだ。

 なお、一口で「ナメクジ (slugs)」と言っても、UKだけで40種以上のナメクジが生息し、悪さを働く「pests (害虫)」は数種のみ。キノコなどの菌類 (fungi) を食べるナメクジもいれば、ミミズのように「肉食系 (carnivorous)」の種もいる。Dr Jonesらのレタス園に集まったナメクジは、ほとんどが「grey field slugs (ノハラナメクジ)」で、他に「common garden snails (ヒメリンゴマイマイ)」がやって来た。

 ナメクジの天敵は「hedgehogs (ハリネズミ)」、「birds (小鳥)」、「toads (ヒキガエル)」。
 
 さて、では、有効的なナメクジ撃退法とは何か。
 商業的な規模でナメクジを駆除する際には、「slug-parasitic nematodes (ナメクジ寄生線虫)」を含む「biocontrol agents (生物防除剤)」が散布される。
 しかし、家庭で育てるプランター野菜をナメクジから守るためには、夕方になって
、ナメクジが這い出たところを掴まえるのがお薦めとか。(注意:ナメクジには寄生虫、細菌が付いていることがある。素手で触れないこと。)

 ただし、RHSは、ビールを小皿に入れて、ナメクジを誘い出す方法も有効とみる。
 また、珈琲カス、木酢液などにもナメクジに対して忌避効果があるとされる。一度、やってみる価値はありそうだ。
                                         (写真は添付のBBC Newsから引用)

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