近代化が肺ガン、乳ガン、大腸ガンを広めた?:IARC報告の真実 (BBC-Health, September 12, 2018)
ガン (cancers)はぜいたく病と言えるのだろうか。国が豊かになり、人々の生活にゆとりができて、誰もが手軽にお酒を飲み、タバコを吸い、好きなものを好きなだけ食べられるようになった。
その一方で、貧困であえいでいた時代に比べて、格段に増えたのがガン罹患率。
「The International Agency for Research on Cancer (国際ガン研究機関 IARC)」の報告書「Globocan 2018 report」によると、世界中で今年、新たにガンと診断される患者数は約1,810万人、また、ガンで死亡する患者数は約960万人と推定される。
この数字は、地球上の男性 5人に 1人、女性 6人に 1人が一生の間にガンに罹患することを意味するという。
ガンの罹患率、死亡率のいずれも年々増加する傾向にあり、6年前の 2012年の調査に比べて世界全体のガン罹患者数は28%増、死亡者数も 17%増と、看過できない状況となった。
ガンの種類別では肺ガン、乳ガン、大腸ガンの罹患率がとくに高く、この3種だけで、全体の 1/3を占める。なかでも、USA, Hungary, Denmark, China, New Zealandの女性の命を奪っているのが肺ガン。その最大の原因は「喫煙 (tobacco)」だ。世界中で肺ガン患者が増加している背景には、近年、低・中所得国の女性の間にも、喫煙者が増加していることにある。
アジアは人口も多いが、世界のガン患者の 48.4%がアジア人であり、ガンで死亡する人の 57.3%もアジア人だ。アジアは完全にガンの標的に曝されていることが分かる。
なお、IARCによると、高所得国のガンの 1/3~2/5は、生活スタイルを変えたり、環境リスクを排除することによって、避けられるという。
ガンに限らず、怪我や病気の全ては予防が肝心。何が、今の自分の体にとってリスクであるのか、まずは認識することだ。
謝辞:この一文をまとめるに当たって、記事内容の解像度を高めるため、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。
・The Guardian, September 12, 2018
[ Cancer will kill 9.6m people this year, experts predict ]
(写真は添付のBBC Newsから引用)