ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

乳酸菌ヨーグルト:人によっては全く効果なし! (BBC-Health, September 6, 2018)

https://ichef.bbci.co.uk/news/976/cpsprodpb/DFE0/production/_103321375_gettyimages-880950166.jpg

  ヨーグルト (yoghurt)、ケフィア (kefir)、納豆・漬け物は、「probiotics (プロバイオティクス)」と呼ばれる。「good bacteria (善玉菌)」の宝庫と、もてはやされ、「軽い胃腸の不具合 (digestive ailments)」には乳酸菌サプリやヨーグルトが効果的と言われた。
 また、抗生物質による治療後に、医者は患者に対してヨーグルト類の摂取を勧めた。

 ところが、この乳酸菌サプリ・乳酸菌食品は本当に効いているのだろうか。結論から言って、「quite useless (まったく効果なし)」、あるいは少なくとも「人によって効果がまったく違う」。

 Israelの「The Weismann Institute of Science (ワイスマン科学研究所)」のDr Eran Elinavらの研究グループは、乳酸菌株の「Lactobacillus (ラクトバシラス属)」、「Bifidobacteria (ビフィズス菌)」など11種の代表的な善玉菌を、ボランティアの被験者25人に飲んでもらい、その善玉菌が腸内でどのように働くかについて調べた。(研究結果の詳細を記した論文2本は医学雑誌「Cell」に発表。)

 この臨床実験では、被験者の排泄物(stools)はもちろんのこと、胃、小腸・大腸 (small and large intestines)から「endoscopes (内視鏡検査)」、「colonoscopies (大腸内視鏡検査)」によって直接サンプルを採取し、腸内微生物叢 (gut microbiomes)が徹底的に調べ上げられた。

 その結果、口から入った善玉菌の半数は、そのまま排泄され、残る半数はしばらく腸内に留まる。しかし、それもつかの間のこと。やがて「existing microbes (常在微生物叢)」によって締め出されてしまう。

 さらに、人によっては、外から入った善玉菌が全て排泄されたり、新種の善玉菌が入ることによって腸内微生物叢の構成・バランスが崩れ、DNAまで変化させていた。

 また、患者が抗生物質 (antibiotics)の投与を受けた後に、「probiotics」の善玉菌を摂取すると、その善玉菌が、抗生物質投与以前のバランスの取れた常在微生物叢の再生を阻害し、健康状態の復帰が遅れることも分かった。

 したがって、乳酸菌サプリあるいは乳酸菌食品は、誰にとっても整腸作用があるとは限らないことになる。ときに「detrimental effects (有害作用)」があるのだ。

 とくに、注意すべき点は、ピロリン菌治療。胃腸科の医者は、治療後の患者にヨーグルトを与えていた。Dr Elinavらの研究結果に基づくと、これは、医療上の大きな間違いだった。

 どんな「evidences (科学的根拠)」で、医者は間違った治療をしてしまっているのか、また、これと同じように、間違った知識に基づいた治療が行なわれていないか、早急に精査する必要があるのは、言うまでもない。

 なお、情報の「解像度」を上げるため、以下の「Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

The Guardian:September 6, 2018
[ Probiotics 'not as beneficial for gut health as previously thought' ]

                                                                       (写真は添付のBBC Newsから引用)

  面白かったら、投票クリックお願いします!
 

www.bbc.co.uk