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変幻自在の化け物「ガン」は:AI (人工知能)で叩く時代! (BBC-News, September 1, 2018)

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 ガン (cancers)は、人類にとって手に負えない厄介もの。とにかく、「ever-changing (変幻自在)」で、追っ手が現われても、すぐに変身する術を心得ている。
 これでは、どんな重武装の機動隊が出動しても、探し出すことも、掴まえることもできない。おまけに、その機動隊の面々も、日常の仕事で疲れ切って意欲をなくし、さじを投げている状態だ。もちろん、敵の動向に関する知識や新たな作戦術を学ぶ余裕も勉学意欲もまったくなし。
 
 この状況は、日々、刻々と、抗ガン剤に対して進化・変貌を遂げるガンにとっては、ほぼ敵無しの環境に違いない。地方病院などで形式的に進められる「時代遅れのガン治療」をあざ笑うかのように、多くの人命を、いとも簡単に奪ってしまう。
 強い憤(いきどお)りを感じざるを得ない。

 ガンの生き残り戦略は、人間の判断力・知能をはるかに超えている可能性がある。したがって、最先端医療技術の粋を集積した「AI (人工知能)」が開発されるならば、それは、個人的な損得にこだわる医者よりも、はるかに信頼性が高く、優れていることは、誰の目でも明らかだ。

 さて、「The Institute of Cancer Research (英ガン研究所)」とEdinburgh大学の共同チームは、そのAI診断ツール「Revolver」を完成させた。
 このAIツールの作成に当たっては、肺ガン、乳ガン、腎臓ガン、大腸ガンの患者178人から採取したガン腫瘍サンプル768ヶを使用し、その膨大な医療データを解析した。

 すると、見えてきたのは、データの中に埋もれていたガン腫瘍の変異パターン。この情報を「cancer biology and evolution (ガン生物・進化学)」の成果と組み合わせることによって、ガンの逃げ道(trajectory)が読めるようになったという。
 
 その一例はこうだ。
 乳ガンでは、「tumour-suppressing protein p53 (ガン抑制タンパク遺伝子p53)」に変異が現われると、続いて、「chromosome 8 (8番染色体)」に異常を起こし、患者の生存率を下げることが分かった。この遺伝子変異パターンはガン腫瘍内・腫瘍間で反復されて、ガンの増殖は止まらなくなる。

 したがって、ガン腫瘍サンプルをDNA分析に掛けてAI診断を仰ぐだけで、今後のガンの変異体が予測できるようになり、ガンが抗ガン剤に対して順応体制の遺伝子変異に入る前に、先手を取った治療が可能となる。

 ガンは一口でガンと言っても多種多様。それに常に変貌する化けもののような存在。最先端医療技術を駆使して、その化けもの正体を明らかにし、進化・変幻パターンを把握して、さらにガンの逃げ道に罠を仕掛け、これを全滅させることが欠かせない。
 ガン患者の命を本当に救うためには、医療設備も医療スタッフも、やる気に研鑽の努力にも欠けた地方病院などでは、到底不可能。医療技術レベルは、これまでの常識の域をはるかに越えたのだ。

なお、このDr Andrea Sottorivaらの研究論文は医学雑誌「Nature Methods」に発表された。
                                                          (写真は添付のBBC Newsから引用)

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