イギリスの作家「ヒュー・ロフィテング (Hugh Lofting [1886-194])」の代表作「ドリトゥル先生航海記 (The Voyage of Doctor Dolittle)」では、主人公のDr Dolittle (ドリトゥル先生)はたくさんの動物から愛され、動物の言葉が話せた。サルもガチョウもみんなDr Dolittleの周りに集まった。とても親切で、いつもニコニコしていたからだ。
さて、現実の世界も、同じようなものだと言う。
これまで、人間の気持ち (moods)を察しできる動物は、長い歴史の中でともに生活するようになった馬やイヌにネコだと言われてきた。しかし、どうやら、ヤギだって、人の顔の表情を理解し、もしかしたら、ヤギの他にも牛、羊、ブタ、ニワトリなどの家畜(domestic animal)は、みんな飼い主の「顔色 (facial expressions)」を伺って生きているのかも知れない。
そんな動物の「心理ライフ (emotional lives)」について研究した結果が科学雑誌「Open Science」に発表された。
London大学College「Queen Mary」のDr Alan McElliigottらの研究グループは、イギリスの南東部「Kent (ケント州)」のヤギの自然保護区「The Buttercups Sanctuary for Goats」で、一風変わった実験を実施したという。
まず、囲いの外の一角に壁を設け、そこに白黒写真の顔写真2枚を、1.3m隔てて横に並べた。1枚は「happy face (ニコニコ顔)」で、もう1枚は「angry face (怒りんぼ顔)」。
そうしておいて、ヤギの群れを一斉に囲いから解き放した。すると、ヤギたちはまっすぐに「ニコニコ顔」に走り寄り、その鼻 (snouts)をフンフン言わせて「ニコニコ顔」を良く観察し始めたという。
ただし、奇妙なことに、「ニコニコ顔」と「怒りんぼ顔」の配置によってヤギの反応が違うことも分かった。「ニコニコ顔」を右側に並べたときに限って、「ニコニコ顔」大好きの好意反応が現われたのだ。
研究者はこの理由を次のように説明する。ヤギの情報認知プロセスが、脳の片側に偏っていて、左側の脳が「positive emotions (プラスの情緒)」に反応するか、あるいは右側の脳が「怒りんぼ顔」を敬遠するように働いていると考えられる。
ヤギにとっては、識別する人の位置によって、「ニコニコ顔」と「怒りんぼ顔」を判断できないこともあるようだ。
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(写真は添付のBBC Newsから引用)