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おぼろな原始星雲は宇宙に無数存在:その1つが銀河を回っていた! (BBC-Science & Environment, August 16, 2018)

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 24時間前のきのうの出来事は、86,400秒前の出来事。今、この瞬間も、すぐに過去になって過ぎ去り、時間はどんどん過ぎていく。それは分かる。でも、いったい時間はいつ始まったのだろう。

1.ビッグバン直後

 宇宙の時間軸のゼロ点は、「Big Ban (ビッグバン)」が起きた約138億年前に設定される。そのとき、宇宙は一瞬高温になるが、宇宙の膨張に伴ってそれも徐々に冷却し、ビッグバンから約38万年後には、「cosmic dark ages (宇宙の暗黒時代)」が始まる。
 この暗い宇宙の状態は、約 1億年間続いた。この間に、宇宙で最も基本的な原子核、すなわち陽子1ヶの水素原子H、陽子2ヶと中性子2ヶが核融合してできたヘリウムHeが形成された。

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2.宇宙の暗黒時代 (ビッグバンから約38万年後に始まり約 1億年続いた暗闇)

 水素はやがてガス状 (clouds)にまとまって、さらに温度が下がると、宇宙に漂う「得体の知れない物資 (enigmatic stuff)」の小集団「ダークマター (dark matter)」に取り込まれる。ダークマターとは、その名の示すとおり、可視光を反射することも、自ら放射することもないが、宇宙全体の物質の85%を占めるとされる。

 そのダークマターの小集団 (clumps)が集合して、1つの球状の塊となり、内部が高温・高圧状態になると、「核融合反応 (fusion reaction)」が起こって、星(stars)になる。
 星の内部では激しい核融合反応によって、「水素よりも重い化学原子 (heavier chemical elements)」が生み出され、巨大質量の星が終焉を迎えて「supernova (超新星)」となって爆発すると、宇宙には周期表 (periodical table)のほとんどの元素が放出される。

 このようにして、次々と星が誕生すると、それが 1つの星雲 (gravies)を形成する。なお、この暗闇の宇宙空間で形成された星雲は「primitive galaxies (原始星雲)」と呼ばれる。

 原始星雲は強烈な紫外線を放出した。これによって、星雲内の水素原子核の電子(electrons)が吹き飛ばされ、水素はイオン化 (ionaising)される。すると、ガス体の温度は上昇し、この状態では、その後の数十億年間、星雲内で星が誕生することは望めなくなる。
もちろん、この暗黒時代は、まだ宇宙の膨張がそれほど進んでいなかったため、宇宙空間の質量密度が高かったと考えられている。

3.宇宙の再イオン化時代

 しかし、「dark matter (ダークマター)」が動き出す。
 水素ガスを取り込んだダークマターの小集団 (clusters)が、偶然にも互いに、衝突・融合を繰り返して巨大化し、イオン化水素ガスも冷却されるようになると、バラバラに遊離していた水素原子の電子 (electrons)と陽子 (protons)が結合して、中性の水素をつくり始める。いわゆる「reionisation phase (再イオン化時代)」が到来し、銀河のように輝く第2期の星雲が、次々と誕生した。

4.タイプの異なる星雲の特徴

 このようにして、宇宙には2つの違ったタイプの星雲が存在するようになった。宇宙誕生初期の原始星雲は、その後の再イオン化時代に誕生した星雲に比べて、規模も小さく、宇宙にぼんやりと浮かぶ。しかし、宇宙におけるその数は、銀河、アンドロメ星雲などの再イオン化時代の星雲(約数十億ヶ)よりも圧倒的に多いと考えられている。

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5.銀河系を周回する原始星雲があった

 UKの Durham大学の Carlos Frenk教授および USの「The Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics」の Dr Swonnak Boseらの研究グループは、「銀河系 (The Melky Way)」のすぐ側で、その周りを公転する小さな「satellite galaxies (伴星雲)」を発見した。その「光度関数 (luminary function)」を解析したところ、何とビングバンから間もない 38万年後に形成された「原始惑星」の1つだった。
 つまり、その星雲の年齢はほぼ138億年と言うことになる。まさに「宇宙の遺物(cosmic relics)」だ。
 
 なお、このFrenk教授らの発見内容は、天文学雑誌「The Astrophysical Journal」に掲載された。
                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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