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あいつのセクハラに銃は撃てない:英警察の悩み! (BBC-News, August 16, 2018)

https://ichef.bbci.co.uk/news/936/cpsprodpb/BEDA/production/_102985884_policebbc.jpg

 こともあろうに、紳士の国イギリスの警察の職場で「セクハラ (sexual harassment)」が蔓延していた。英労働組合「Unison」が、全国の警察1,800人に調査した結果、明らかになったという。
 その警察の職務内容は、

・police community support officers:警察補助員
・crime scene investigators:犯罪現場捜査官
・clerks:警察事務員
・fingerprint experts:指紋専門官(科学捜査官)
・detention officers:刑務官

 以下は、具体的なセクハラの内容だ。

・sexuallised jokes:
 下ネタジョーク(2人に1人、50%)
・sexually explicit email or text:
 性的欲望が露骨なメール・文書(5人に1人、20%)
・pressured into having sex:
 性的関係を迫る(25人に1人、4%)
・sexual favours for preferential treatment:
 優遇処置をちらつかせ深い関係を迫る(12人に1人、8%)
・intrusive questioning about their private lives:
 プライベートな私生活に立ち入った質問 (3人に1人、33%)
・inappropriate staring or leering:
 不適切な体の凝視、いやらしい目つき(5人に1人以上、20%以上)
・inappropriate and uncomfortable touching:
 不適切で不快と感じる体への接触(5人1人、20%)
・persistent asking on date :
 断っても、しつこいデートの誘い(10人に1人、10%)

 この調査結果を受けて、「The National Police Chiefs' Council(英全国警察署長委員会)」の「Chief Constable (警察署長)」Mr Julian Williamsは、次のように語る。

 このようなセクハラ行為は、警察職員が従うべき「The Code of Ethics (倫理規定)」から逸脱するものであり、「outdated and unacceptable behaviour that mast be 'rooted out'(時代遅れで、受け入れがたい。このような行為は根絶やしにしなければならない。)」

 さらに続けて、
"Other behaviours like the repeated telling of sexuralised jokes may not be malicious in intent but are misguided and damaging."
[ 下ネタジョークを繰り返すなどの行為には、行為自体に悪意がないとも思われる。しかし、それが間違いに発展し、また相手を傷つける可能性もある。]

 なお、Unison総書記代理の Mis Chiritina McAneaは、緊急のセクハラ対策の必要性を次のように述べる。
"Perpetrators should be 'confronted and dealt with immediately' or their behaviour could escalate from filthy jokes to more serous forms of sexual harassment."
[ セクハラ加害者は問題を直視し、直ちに行動の見直しに着手しなければならない。さもないと、卑猥なジョークからさらに深刻なセクハラにエスカレートしかねない。]

 ここで一言。
 セクハラもパワハラも基本的には同じ「嫌がらせ」。相手が嫌なことを繰り返す加害者の衝動に、悪意がないとするMr Williamの発言は信じがたい。百歩譲って、たとえ、悪意がないとしても、「うぬぼれ」か「勘違い」から発生する行為だ。
 このハラスメント対策は、ややもすると、掛け声だけの、形式的な取組みに終わりかねない。そのことが、セクハラ、パワハラの横行を招いているといっても過言ではない。 これを、職場から根絶するためには、次の3点が欠かせない。

1.公平、公正で機動的なハラスメント対策チーム
2.厳格な処罰体制
3.隠蔽、ごまかし、依怙贔屓(えこひいき)のない組織トップ

 世にはびこる「outdated and unacceptable behaviour(時代遅れで、受け入れがたい行為)」を根絶するためには、「outdated and unacceptable countermeasures (時代遅れで、受け入れがたいハラスメント対策」を根絶することが先だ。
 学生、職場職員、あるいはスポーツ選手のセクハラ、パワハラがなくならないのは、これを隠蔽し、地位と名声を守ろうとする部局長・監督、組織トップのエゴ意識が、何十年経っても変わらないからだ。
 何と多くの弱い立場の人が泣いて、何と多くの、良心の欠けた権力者がほくそ笑んでいることか。

                                                                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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