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医学部が嫌う女性志願者:でも、患者の命を多く救うのは女性の医者 (BBC-Health, August 2, 2018)

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 「医者になっても、すぐに辞めてしまうから」などとの理由で、医学部の受験では、女性が差別的あるいは不利に扱われていた。東京地検特捜部が東京医科大学の裏口入試事件を捜査する過程で、どんでもない不正入試の事実が明るみになった。

 ところが医者は医者でも、治療に当たる医者が女性か男性かで、心臓発作を起こした患者の死亡率が違う。とくに、女性の患者は、女医 (email doctors)に治療してもらうと、生存率(死から免れる確率)が高くなると言う研究結果が、医学雑誌「Proceedings of the national Academy od Sciences」に発表された。

 Washington大学の Dr Seth Carnahanらの研究グループが、1991-2010年までの20年間の間に Floridaの病院で救急治療を受けた心臓発作の患者約 58万人について、その治療記録(カルテ)を分析した。研究の目的は,、心臓発作の死亡率が患者の年齢、人種(race)、性別 (gender)、病歴 (medical history)、それに治療に当たる医者の性別などの要因によってどのように違ってくるのかを明らかにすること。
 
 すると、患者の男女の性別を問わず、治療する側が女性すなわち女医であれば、心臓発作の死亡率 (mortality)が低下し、とくに、女性の患者は女医の治療を受けると1.3%も死亡率が下がり、「患者予後 (patient outcomes)」も良好となることが分かった。
 また、「救急治療部局 (accident and emergency units)」の女医の割合が多ければ多いほど、心臓発作で運び込まれた女性の生存率 (survival rates)が高くなった。

 ただし、現在のところ、なぜ、女医が心臓発作の治療に当たると、生存率が上がるのかについては、合理的な説明ができないという。
 女医の方が、形式ばった素振りを取らず に(atypically)、女性患者の悩みを良く聞いてあげることができるかもしれないし、心臓を病んだ女性にとって、ベッドの側に男性の医者が威厳ぶって立つだけで、その症状が悪化するとも考えられる。

結論:だから、医学系の大学は身勝手な理由で、女性の入学志願者を性差別し、これを排除しようとしてはならない。救える患者の命まで救えなくなる。

 なお、この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して感謝の意を表したい。


The Guardian:August 5, 2018
「Women more likely to survive heart attack if treated by female doctor -study」

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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