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ガン治療:信頼できるのは現代医療、それともオカルト(神秘的な力)? (BBC-Health, July 20, 2018)

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  その昔、悪霊(あくりょう)あるいは性悪のキツネか、とにかく、何か得体の知れない「なにものか」が取り憑くと、「病(やまい)」になると信じられた。そこで、その悪霊たちを追い払うために、祈祷師がお呪(まじな)いを唱え、神社・寺のお札を患者の額(こうべ)に張って、煙まで焚いた。
 かっては、超自然的な、その癒し力で病気が完治すれば、それで良しとされた。しかし、このような治療法を現代も採用するとすれば、治療の本質を問う「なぜ」が説明できなければ。ただの原始的な信仰に過ぎず、医療とは呼べない。

 しかし、USでは、ガン患者の間で、化学療法、放射線治療、外科手術などの「標準治療 (standard treatments)」を嫌い、「代替治療 (alternative therapies)」を選択する人が増えているという。
 ガンの代替治療とは、特殊な食事療法、ミネラル・ビタミン注入、ホメオパシー(homeopathy)などに頼る療法だ。

 ところが「Yale School of Medicine (イェール大学医学大学院)」の Dr Skyler Johnsonらの研究グループが、ガン患者1,290人の生存率を調べたところ、代替治療に頼ったことのある人は、その後、正規の治療を受けても、治療開始から5年以内の生存率が低下し、9年以内に死亡する確率は、当初から標準治療を受けた人に比べて2倍以上であった。代替治療を一度受けると、その後の標準治療に悪影響を及ぼしている可能性も否定できないという。(研究結果の詳細は医学雑誌「JAMA Oncology」に発表)

 なお、代替治療の信奉者には女性、若もの、富裕層 (affluent)、健康に恵まれた人に多い傾向があるという。
 その信奉者は、「科学的な根拠 (evidences)」のない治療法に固執し、ガン治療では「補完治療 (complementary therapies)」として知られる「ヨガ (yoga)」、「マッサージ(massage)」、「鍼 (alleviating)」、「弛緩治療 (relaxation therapy)」にも気乗りがしない。

 さて、以下は個人的な意見。だからと言って、代替治療の信奉者を責めるのは酷だ。代替治療にせよ、化学療法・放射線治療・外科手術、あるいは免疫療法、遺伝子治療であれ、その選択は患者自身が行なうことだ。
 ただし、ガン治療に当たっては、医療側の明確で十分な説明があり、治療法の選択の機会が、公平かつ平等に保障されていることが必要だ。
 残念ながら、ガンの最先端医療はごく一部の病院とごく一部の患者に限られ、さらに悪いことに、病院によって医療設備や医療技術のレベルが違う。この現状では、優れた医療技術を期待できないのは明らかだ。代替治療の増加には、その背景に、現代医療システムに対する不信感があることを忘れてはいけない。
                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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