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ねとねとスライム粘土:それに含まれるボロンで体がボロ、ボロンに! (BBC-Health, July 17, 2018)

https://ichef.bbci.co.uk/news/624/cpsprodpb/635B/production/_102553452_slime.jpg

 今から約4,000年前、「Babylonians  (バビロニア人)」ば、金 (gold)の冶金技術(metallurgy)を高度に発展させ、金の純度を上げるために「ホウ砂 (borax)」をflux (融剤)として使った。したがって、英語の「borax (ホウ砂)」の語源は、かってペルシャで話された「Pahlavi(パフラヴィー語)」の「burak」に由来する。

 1800年代になって、「borax (ホウ砂)から「Boron (ホウ素)」単体の分離に成功する。この元素記号B (元素番号5)は、炭素(carbon)に似た性質をもっていたため、boraxの「bor-」とcarbonの「-on」を結びつけて「Boron」と呼ばれるようになった(1872)。
 ホウ素は酸化して「化合物 (compounds)」を作りやすく、自然界では単体として存在しない。

 あの、古代ペルシャの国トルコは、ホウ素でも強気だ。膨大な「ホウ酸塩鉱床 (borate mineral deposit)」を抱えて、世界のホウ素需要の約50%を生産しているためだ。

 ホウ素は、目の洗浄用のホウ酸水はじめ、多くの医薬品や放射線医療に、また、耐熱ガラス、殺虫剤にと幅広く利用されている。
 ただし、ホウ素Boronの最大摂取量は、13歳未満の子どもで 1日当たり 3 - 11mg、14 - 50歳では 17 - 20mg/dayとされ、おもちゃなどの商品に含まれる「ホウ素B」の「EU safety limit (EU 安全基準)」は300mg/Kg。

 ホウ素Boronを過剰に摂取または安全基準値を越える商品に触れると、次のような症状が現われる。

・nausea:吐き気
・gastric discomfort:胃のむかつき
・vomiting:嘔吐
・diarrhoea:下痢
・irritation (skin problems):過敏症 (皮膚のトラブル)
・heart palpitations:動悸
・cramps:痙攣(けいれん)
・anxiety:不安症
・depression:うつ病

 ところで、UKの消費者団体「Which?」が、子ども達に大人気のプラスチック粘土「Slime(スライム)」を調べたところ、メーカー11社の商品のうち8社のスライム粘土から「EU 安全基準」に違反する商品が見つかった。
 ホウ素Boronが、粘土本体の「ポリマー(高分子化合物)」を柔らかいゲル状にするために使われていたのだ。

 危険と判断されるスライム粘土は、次のとおり。

 商品名 (色) メーカー
・Jupiter Juice (pink) by Toysmith 
・Fulffy Slime (pink) by CCINEE
・Crystal Slime Magic Clay (pink) by Cosoro Dodolu
・Mini Bucket Putty (green) by Baker Ross
・Slime Toy (purple) by iBase Toy
・Fluffy Slime (blue) by LOYO
・Brezeh Free Slime Toy (orange) by Brezeh
・My Fluffy Slime (green) by Virtuotrade

 この中でホウ素Boronの含有率が最も高かったのは、Toysmith社の「Jupiter Juice」の1,400mg/Kg。なんと、EU安全基準値の4倍以上のホウ素を含んでいた。

 消費者団体「Which?」によると、上記のスライム粘土を購入した人は、直ちに使用を中止し、販売業者は、代金の返却に応じるべきだとする。

 なお、全てのスライム粘土は、「Amazon」でネット販売されている。そのAmazonBBCの取材に対し、コメントを拒否。
                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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