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前立腺ガンは遺伝子異常が関与:唾液サンプルDNA解析が決め手! (BBC-Health, June 11, 2018)

https://ichef.bbci.co.uk/news/834/cpsprodpb/151FF/production/_101972568_dnatest_gettyimages.jpg

 これは穏やかではない。
"One in eight men develop prostate cancer at some point in their lives.”
[ 男性の8人に1人が、人生のいずれかの時点で前立腺ガンを発症する。]

体の中に密かに住み着く悪性腫瘍ガンは、どんなガンだって怖い。しかし、自覚症状が現われ難いガンと言われては、不気味だ。さらに、前立腺ガンは遺伝性が強く、家系にこのガンに罹患した人がいれば、本人の発症確率は、普通の人の2倍以上とされる。

 遺伝的に前立腺ガンの発症リスクの高い人は10人に 1人 (10%)、また、普通の人に比べて 6倍以上と、極端なハイリスクを抱えた人は100人に1人 (1%)と言われる。
 イギリス (Britain)では、毎年、47,000人が前立腺ガンと診断され、11,000人が死亡している。

 ところが、残念なことに、現在のところ、これを診断する単独かつ信頼できる検査方法は存在しない。一般には「PSA blood test (前立腺特異抗原血液検査)」、「biopsies (生体組織検査)」、「physical examinations (健康診断)」の結果を総合して陽性、陰性の判定が下される。
 しかし、PSA検査は「false positives (偽陽性)」を与えることもあり、逆に、「侵襲性ガン (aggressive cancers)」を見落とすこともある。

 そこで「The Institute of Cancer Research (英ガン研究 ICR)」の Ros Eeles教授を中心とする国際研究チームは、唾液サンプルをDNA解析することによって、前立腺ガンの「high-risk genes (ハイリスク遺伝子)」をチェックする新たな検査方法に着手した。

 前立腺ガンとの関連性が疑われる「genetic variants (遺伝子変異体)」は150種を越える。唾液をDNA解析して、疑惑の「遺伝子変異体」が見つかるなら、前立腺ガンの発症リスクが高いことになる。

 したがって、このスクリーニング検査で要注意と判定された患者だけが、MRI検査、「biopsies」に進むことにすれば、診察が簡素化されるとともに、診断精度もはるかに向上する。
 もちろん、前立腺ガンは、発見が早ければ早いほど治療が容易で、回復も早くなる。

 なお、研究の詳細は医学雑誌「Nature Genetics」に発表された。

 また、この一文をまとめるに当たって、以下の優れたThe Guardianの記事も参照した。記して謝意を表したい。
June 11, 2018, The Guardian
・「Trials begin of a saliva test for prostate cancer」

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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