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大気中のCO2から合成液体燃料:ビル・ゲイツら経済界の大物が支援! (BBC-Science & Environment, June 7, 2018)

https://ichef.bbci.co.uk/news/872/cpsprodpb/B420/production/_101921164_ce6.png

 世界中の工場・発電所あるいは貨物トラック・自家用車などから排出される二酸化炭素 (carbon dioxide)CO2は、年間約368億トン(2017年)。これでは、地球も人間も息苦しくなるばかり。
 そこで、各国は、これまで色々と苦し紛れの、せせっこましいCO2対策を捻り出してきた。今では笑いばなしのようだが、日本は、環境対策と称して、深い海溝に投棄する案にまで、巨額の国費を投じて研究したことがあった。

 ところが、最近、本気になって、本物 (authentic) のCO2削減技術開発に取り組むグループが現われた。スイスの「Climeworks」社やカナダの「Carbon Engineering」社がそれだ。
 とくに「Carbon Engineering」は、Bill Gates, Norman Murray Edwardなど世界のスーパー金持ちが資金を提供し、2009年に Harvard大学の David Keith教授が設立した会社だ。 2015年、大気中のCO2を機械に吸い込ませ、「合成液体燃料 (synthetic liquid fuels)」に変換するという画期的な「パイロット・プラント」を建設し、現在、世界中の注目を浴びている。
 
 そのCO2処理能力は1日1トンに過ぎないが、その到達目標は崇高。処理プラントででは、再生可能エネルギー (renewable energy)を利用して水からつくり出した水素H2とCO2を反応させ、合成液体燃料を生成する。それは自然界の「樹木」が行なっているやり方をまねたものだという。このアイデアは、1990年代の中頃、Arizona州立大学のKlaus Lackner教授によって提案されていた。
 もちろん、バイオ燃料に比べて環境負荷は小さく、広大な土地も膨大な量の水も必要とはしない。

 さらに、「Carbon Engineering」社のパイロット・プラントでは、これまで誰も成し遂げられなかったCO2処理コスト$100/t の壁をクリアした。Keith教授は将来,1日2,000 bbl 規模の合成液体燃料の生成を計画している。

 もちろん、処理コスト $100/t は、人類にとって、まだまだ、とんでもない負担になる金額だ。
 また、事、環境・エネルギー問題に関しては、政府の関与・介入が欠かせない。そもそもCO2対策は国家レベルで取り組む課題だ。それに合成液体燃料の流通・貯蔵、加えてCO2削減事業に対する「subsidies (助成金)」など、政府は政府なりに責任をもってやることが沢山あるはずだ。
                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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