海外旅行で注意すべき点はたくさんあるが、その中でも最上位にくるのは「水(water)」。30数年前、カナダやUSでも、山や水道の水は、そのまま飲めなかった。US西部の州のレストランに入って、水(mineral water)を注文するときには、日本語の「藁(ワラ)」と言えばいい。先輩のアドバイスだった。
そのミネラルウォーター。とくに、発展途上国の街角や観光地でボトルに詰めて販売されているものには、「正体不明の水」もあり、もちろん、水道の蛇口の水をそのまま飲める国は少ない。
来日する外国人にとって、ホテルの水道水が飲料水とあるのは、驚きのはずだ。実は、安全で美味しい「freshwater (浄水)」をつくり出すために、最新の技術力と膨大な資金がつぎ込まれていることは、余り知られていない。
さて、Englandでは、日本のように、冬に雪が積もる高山が少ない。それでも年間約95億m3の浄水をつくり出している。しかし、近年の気候変動と人口増加が災いして、このまま手をこまねいていると、2050年代には深刻な水不足の危機に陥りかねないというのだ。
さらに問題を複雑化させているのは、「水道の漏水 (water leakage)」。年間浄水量の約12%に当たる約11億m3の水がむだに失われている。それに地下水のくみ上げはもう限界に達し、河川水を利用しようにも、環境問題が絡んで、おいそれと河川から引く水の量を増やすわけにはいかない。また、河川水といっても、その水のほとんど (77%)は石灰質の硬水 (chalk stream)だ。
7年後の2026年にはEnglandの人口 (約5,400万人)が約5,850万人に膨れ上がると推定され、それも、今でも水不足が取りざたされている地域に人口増が集中する。数十年後に深刻な地域は「The South East」。
現在、Englandの1人1日当たりの水の消費量は平均140L。
今直ぐに、水資源の供給源に加えてその需要・消費のあり方を見直し、漏水対策に着手しないと、手遅れになりかねないと「Environment Agency (英環境庁)」は警告する。
(写真は添付のBBC Newsから引用)