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イギリスでは悪玉の雑草がはびこり:善玉の山野草が苦難に! (BBC-Science & Environment, May 14, 2018)

https://ichef.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/5783/production/_101530422_1.jpg

 エビネにアツモリソウ、シュンランなどの山野草 (wild flowers) には、観ていて飽きることのない素朴な美しさが備わっている。
 しかし、これらの山野草も、食うに困り果てた人がいたものか、その群生地から掘り抜かれて、田舎の「道の駅」などで売られているのは、なんとも哀れでならない。

 イギリスとて、山野草の置かれた事情は、同じようなものだ。
 1930年代頃から、伝統的な牧草地の育て方が変わったため、それまで牧草地を主な繁殖・生息地としていた多くの山野草は、死に絶えるか、路肩のグリーン帯 (roadside verges) に追いやられた。その数700種以上。イギリス全土の植物の約 45%が路肩に生息し、wild orchid (野生ラン)の仲間(52種)の内、29種が路肩で確認されている。

 ところがその路肩でさえ、安住の地ではなかった。常に、自動車の排気ガスに悩まされ、おまけに道路管理局は、路肩の草刈り (mowing) に凝り過ぎるほどにこだわる。
 これでは、せっかく山野草が、子孫を残そうと花を咲かせるのに、まだ種子が完成する前に、刈り取られてしまうのだ。そして、刈り取られた草は、路肩に放り投げられたまま。

 すると、マナーの悪いドライバーは、そんな路肩のグリーン帯をゴミ捨て場と勘違いしてしまう。
山野草は、きれいな花を咲かせても、実を結ぶことができない。ドンドンと山野草の種類は、数を減らした。

 一方、植物界の悪玉 (thugs) の雑草 (weeds) は窒素ガスが大好き。代表的な悪玉は次の通り。

・stinging nettle:イラクサ
・bramble:イバラ
・rough meadow-grass:オオスズメノカタビラ
・cow parsley:シャク
・Yorkshire fog:シラゲガヤ
・creeping buttercup:ハイキンポウゲ

 その悪玉に攻め立てられ、瀕死の状態にある善玉の「wild flowers」は、

・tufted vetch:クサフジ
・bugle:キランソウ
・tormentil:タチキジムシロ
・red clover:ムラサキツユクサ
・lady's bedstraw:セイヨウカワラマツバ
・white campion:マツヨイセンノウ
・greater knapweed:グレーター・ナップクウィード(ヤグルマギクの仲間)

 悪玉、悪党は、自然環境が悪ければ悪いほど、はびこるのは世の常か。

                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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