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鬱 (うつ) の気分がすぐに吹っ飛ぶ!:ケタミン点鼻スプレー (BBC-Health, April 16, 2018)

https://ichef-1.bbci.co.uk/news/872/cpsprodpb/18492/production/_100847499_c0341336-hospital_staff_at_work-spl-1.jpg

 「disease(病気)」の語源はフランス語の「desaise」。その意味は「lack of ease (安らぎの欠如)」だった。

 病気と言えば、行き場を失うほど追い詰められ、悩まされ、心がふさぐ病気もある。うつ病 (depression)だ。この病気はつらい。抗うつ薬 (anti-depressants)もあることはあるが、数ある抗うつ薬の中で、どの薬が効くのかは、「神のみが知る」の段階。運良く、最適な抗うつ薬が見つかっても、十分な効果が現われるまでに4 - 6週間も掛かる。

 したがって、医者は、1種類の抗うつ薬を1ヶ月以上も掛けて患者に試しては、その薬効を見極め、次々と抗うつ薬の種類を変えていくのだ。その間に、鬱 (うつ)の症状は、どんどん悪化する可能性があることも否定できない。
 これでは、まさに、漢字の「鬱」が示すとおり、出口のない、ジメジメと暗い森の中に、1人投げ出されたようなものだ。

 この治療の難しいうつ病を吹き飛ばす「画期的な臨床試験」研究の結果が、医学雑誌「The American Journal of Psychiatry」に発表された。
 それは、シューと一吹き、鼻腔内にスプレーする Ketamine  (ケタミン) 点鼻薬。これだけで24時間以内に「significant improvement (著しい症状の改善)」が認められ、治療から4週間も経つと、めざましい回復が得られたという。。

 Ketamine (ケタミン) は麻酔薬 (anaesthetic) だ。臨床試験では「(S)- Ketamine」の点鼻薬スプレーが「Jansson Research and Development (ヤンセン研究開発)」、「Johnson & Johnson Company」、Yale大学の3者で開発され、自殺念慮 (suicidal thoughts) の強い患者 68名の治療に使われた。
 現在、臨床試験はフェーズⅢの段階に進んでいる。これまでのところ、「esketamin dependence (エスケタミン依存症)」は確認されていない。ただし、「side-effects (副作用)」を調べるためには、さらに大規模な臨床試験が必要とされる。

 深刻なうつ病患者には、頭に電気ショックを与える「eletroconvulsive therapy (電気痙攣療法ECT)」まで実施されてきた。手のほどこしようもなく、「imminent risk of suicide (差し迫った自殺の危険)」に追い込まれるうつ病。そんなうつ病が、一吹きの点鼻薬で、それまでの憂鬱気分が、まるで嘘であったかのように、スッキリと晴れるなどとは、まさに「魔法の薬」。
 一刻でも早く、一般病院の治療に使用できるようになることを心から願いたい。

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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