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今、世界が求める最先端医療は何か:これに気づいたのは学生だった! (BBC-Health, March 25, 2018)

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 最先端医療と言えば、ロボット手術にAI診断、遺伝子治療。それは事実だが、そこだけに目を向けていては、人々の健康、幸せ、それに医療システムも維持できない。

 何か忘れてはいないか。医療で最も重要かつ根本的なことは、病気に罹らないこと。つまり「予防医学 (preventative medicine)」にある。
 そもそも病気、正確には「non-communicable diseases (非感染性疾患)」の 80%は、その原因が「lifestyle (ライフスタイル)」、「diet (食生活)」にあるとされる。つまり、毎日、何を食べ、どのような生活を送っているかで、病気に罹るか罹らないかがほとんど決まるというのだ。

 どの国であれ、政府がロボット手術や遺伝子治療などの開発に巨額の資金を費やし、一方で、介護保険料や税負担を増して国民からお金を搾り取っても、膨らみ続ける国全体の医療費を抑えることも、人々の健康を守ることも不可能だ。

 医者は患者を診察しては、適当な薬を処方するだけ。病気の原因は何か、どうすれば再発を防ぐことができるかについて説明することはない。病気の治療をライフスタイル、食生活の観点から指導することなど皆無だ。

 その理由が明らかにされた。実は、医者は治療方法は分かっていても、「食」や「生活」の改善によって病気を予防する知識がなかった。あるいは病気の原因そのものに関心がなかった。また、医学部の授業カリキュラムの中に、「食の重要さ」を学ぶ科目もなかったという。

 2016年末、ようやく、一部の研究者によって「食の重要さ」が指摘されると、真っ先に動いたのは Bristol大学の学生たちだった。2017年、オンライン組織の「Nutritank」を開設し、病気の予防を目指した「栄養科学研究 (nutrition science research)」の活動基盤をつくる。
 これが大学当局を動かし、イギリスの大学では始めての「Culinary medicine (調理医学)」を学ぶコースが、Bristol大学にできることになる。

 「食 (food and nutrition)」が健康の中核、言い換えるならば「病気の予防は食にある」ことが最先端医学として躍り出ると、Cambridge大学でも医学部の必修科目「栄養学 (Nutrition)」の授業時間を2倍に拡充すると発表。
 さらにイギリスの権威ある医学雑誌「The British Medical Journal」は 2018年 6月から「The Science and Politics of Nutrition (栄養科学政策学)」を発刊する予定だ。

 いやはや、学生に押されて、医学界が医療の本質、医者の本分に気づくとは。
 
                (写真は添付のBBC Newsから引用)

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