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ガンの発症リスク:心がけ次第で約40%減 (BBC-Health, March 23, 2018)

https://ichef-1.bbci.co.uk/news/624/cpsprodpb/17753/production/_100538069_alcohol_pints_getty.jpg

   線路の上や高速道路を歩くのは危険だ。そのことは、ほとんどの人がよく分かる。ところが、タバコを吸ったり、酒を飲み過ぎても、生命が危険にさらされることは、なかなか直ぐに理解できない。

 「君子危うきに近寄らず」とはよく言ったものだと思う。身の回りから「危険因子 (hazards)」を次々に遠ざけると、遭遇する災難がそれだけ小さくなることを端的に表わした諺。これはリスク回避の基本だ。

 さて、治療技術が進歩したとは言え、「ガン(cancers)」に罹らないことに越したことはない。その発症メカニズムも十分に解明されていない。しかし、疫学的な研究によってガンの要因(causes)すなわち危険因子が特定されている。

 イギリスのガン研究機関「Cancer Research UK」によると、ガンの要因のなかで「preventable causes (回避可能な要因)」の上位11項目は以下のとおり。

・Smoking :喫煙
・Obesity :肥満
・UV radiation :紫外線
・Occupational :職業( 発ガン性物質関連)
・Infections ;感染症
・Alcohol :飲酒
・Too little fibre :食物繊維の過不足
・Ionising radiation:放射線
・Processed meat :加工肉
Air pollution :大気汚染
・Too little exercise:運動不足

 「Cancer Research UK」の Dr Katrina Brownらの研究チームは、膨大なガン医療データに基づいて、これらの「preventable causes (回避可能な要因)」が「ガンの発症」に関与する割合を解析し、その結果を医学雑誌「The British Journal of Cancer」に発表した。

 その研究結果によると、上記の危険因子を全て遠ざけると、ガンの発症リスクは約 38%削減できるという。具体的には、日常生活でタバコを止め、酒をほどほどにして肥満にならないように健康管理を行なうと、イギリス全体で、1週間につき約2,500人、1年間では約135,000人がガンに罹らずに済むことになる。

 危険因子の中で注目されるのは「喫煙」と「肥満」。2011年の調査では、喫煙が原因と考えられるガンは全体の 19.4% であった。しかし、その割合は1年につき約1%ずつ減少し、2015年には 15.1%に下落した。
 一方、肥満については、ガン全体の 5.5% (2011年) から 6.3 (2015年) と増加傾向を示した。
 肥満は乳ガンをはじめ腎臓、大腸、子宮などに13種のガンの発症リスクを高めるとされる。

 なお、ガン全体に占める「回避可能な要因で発症するガン」の割合を、イギリス国内の「nations」別で整理すると次のとおり。

・Scotland     :41.5%
・Norther Ireland     :38.0%
Wales                    : 37.8%
・England                 : 37.3%

  この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

The Guardian, March 23, 2018
・Four in 10 cancer cases could be prevented by lifestyle changes

                (写真は添付のBBC Newsから引用)

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