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カモノハシの母乳のスーパー殺菌力:薬物耐性菌スーパーバクもイチコロ (BBC-News, March 15, 2018)

 

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オーストラリア東部海岸一帯に生息する「カモノハシ (platypus)」は、不思議な哺乳類(mammals)だ。クチバシがアヒルのように平たい「semi-aquatic animals (半水生動物)」で、オスの足には猛毒を分泌する「蹴爪 (spurs)」があり、敵を寄せ付けない。メスは卵を抱き、赤ちゃんが孵(かえ)ると母乳を与えるが、普通の哺乳動物と違って、乳首(teats)がない。

"It's believed mammals evolved teats or nipples because it was a sterile way to deliver milk to their young."
[ 哺乳動物は、母親が子どもに乳を与えるとき、有害な細菌が混入しないように、乳首を進化させたと考えられる。]

 カモノハシは、胸部の乳腺から乳を直接分泌して、赤ちゃんはそれを飲む。そのためなのか、なんと、その乳には秘密が隠されていた。
 体外に放出されたカモノハシの乳には、「superbugs (抗生物質の効かない耐性菌)」でさえイチコロの、極めて殺菌性の高い「特殊なタンパク」が含まれていたのだ。

 「CSIRO (オーストラリア連邦科学産業研究機構)」の Dr Janet Newmanらの研究グループが、そのカモノハシの乳の「タンパク (protein)」を調べたところ、タンパクの構造も奇妙な形をしていることが分かったという。巻き毛 (ringlets) のようにクルクルと「quirk (よじれ)」が掛かっていた。どうやら、この「よじれ」が強力な殺菌力の秘密のようだ。

https://ichef-1.bbci.co.uk/news/590/cpsprodpb/12C21/production/_100433867_shirleytempleprotein.png

 その形から、1930年代に USで子役として名を馳せた「Shirley Temple [1928-2014]」に因んで「Shirley Temple protein (シャーリィ・テンプル タンパク)」と名付けられた。成人して大もの女優、政治家となったMs Templeは、子役としてデビューした頃、髪型をクルクル巻きにしていたことで有名。

 なお、インドネシアに生息する「Komodo dragon (コモド・ドラゴン)」の血液にも、「スーパーバグ」に対抗できる新たな抗生物質が発見されている。

 イングランドでは毎年、推定約 5,000人が「drag-resistant infections (薬物耐性感染症)」で死亡しているとされる。「PHE (イングランド公衆衛生局)」によると、医者が必要でもないのに抗生物質を処方し、その割合は、全体の約 20%に及ぶ。長い間、抗生物質を多量に使い過ぎて、多くの病原菌に耐性ができてしまっているのだ。

"Many illnesses get better on their own."
[ たいていの病気は、(抗生物質がなくとも) 独りでに治ってしまうというのに。]
               (写真は添付のBBC おNewsから引用)

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