儂(わし)の口ヒゲは生まれつき:キザな人間とは違うわい! (BBC-Science & Environment, January 17, 2018)
「monkey(サル)」の仲間の多くは樹の上に生息するが、「patas monkey (パタスモンキー)」は別だ。サバンナを駆け回るこの種は、脚力を発達させた。
"Patas monkeys are found from west to east across sub-Saharan Africa; they are among the fastest-moving of ground-dwelling monkeys - able to reach speeds of about 55 km/h(34 mph)."
[ パタスモンキーはサハラ砂漠以南のアフリカ大陸東西にかけて生息し、モンキーの仲間では走るのが最も速く、およそ時速55kmに達することもある。]
ところが、同じパスタモンキーと言っても、西エチオピアとスーダンの「青ナイル川流域 (Blue Nile region)」に生息するパスタモンキーは、少々顔立ちが違っていた。口髭、それも立派な「handlebar moustache (カイゼル髭)」を生やし、他の地域のパスタモンキーに見られる、目から耳にかけた子どもっぽいバンドマークなど付けていないのだ。その顔は威厳に満ちている。
この一帯は地理的には南スーダンのSudd に広がる広大な湿地帯 (swampy region) とエチオピアの高地 (highlands)によって隔離された場所にある。
実は 1862年、この口髭種は、「patas monkeys」とは別種であると見なされたが、どういう訳か、1927年、ドイツの動物学者「Ernst Schwarz」は誤ってパタスモンキー属にまとめてしまった経緯(いきさつ)がある。
「IUCN SSC Primate Specialist Group (国際自然保護連合SSC霊長類専門家グループ)」の Mr Spartaco Gippolitiは、再度、この口髭が立派な「patas monkeys」を綿密に調査したところ、150年以上前に命名されたように、パタスモンキーとは違う「Blue Nile patas monkey」、学術名「Erythrocebus poliophaeus」であることを確認した。
なお、Madagascar( マダガスカル)、Indonesia (インドネシア)、Sri Lanka (スリランカ) のそれぞれの国でも「dwarf lemur (ネズミキツネザル)」「tarsier (メガネザル)」「slender loris (スレンダーロリス)」の新種が発見され、「青ナイルパタスモンキー」とともに科学雑誌「Primate Conservation」に発表された。
(写真は添付のBBC Newsから引用)