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誤診の多いガン・心臓病:どんな医者より優秀な人工知能AI誕生 (BBC-Health, January 2, 2018)

https://ichef-1.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/158ED/production/_99210388_mediaitem99210387.jpg

 これはひどい。毎年、スキャン (走査) 画像によって診断されるイギリスの心臓病患者 6万件の内、1/5が誤診。すなわち、必要のないのに手術が実施され、逆に、病根を見逃して、後日、患者が心臓発作に見舞われることも頻発している。

 また、肺ガンの診断も医者泣かせ。そもそもスキャン画像に写った肺結節 (nodules)の診断技術レベルが追いついていない。

"Doctors can't tell whether these clumps are harmless or will go on to become cancerous and so patients got on to have several more scans to see how the nodules develop."

[ 医者はスキャン画像を前にして、そこに写った肺結節が良性か、あるいはガン腫瘍に発展する結節 (ノジュール) かを判断できない。したがって、その肺結節の変化の様子を見るために、患者は何度もX線スキャンを強いられることになる。]

 ところが、Oxford大学「The John Radcliffe Hospital (ジョン・ラドクリフ病院)」のPaul Leeson 教授らの研究チームは、専門医よりもはるかに優秀な人工知能AI診断システム「Ultromics」を開発した。
 ガンや病根の早期発見のレベルの高さと診断の精度・正確さは、7年間に及ぶ「臨床試験 (clinical trials)」で既に実証済み。

 この AI診断システムが、今後、イギリスの医療現場に採用されるならば、無駄な手術や治療が避けられるため、心臓病の年間医療費約 £600m (約920億円) は少なくとも半減すると見込まれ、さらに、このシステムがUS、EUにも導入されると、推定医療費削減額は年間 £10bn (約1兆5千億円) に及ぶという。

 どの先進国の医療財政も、膨らむ一方の医療費で危機的な状況に追い込まれている。人工知能A I(artificial intelligence) が将棋やチェスの試合で人間に勝った負けたと騒ぐ余裕などないはずだ。病気で苦しんでいる人はもちろんのこと、膨大な医療費の負担であえいでいる人にとっても、この AI が救い主になることは間違いない。ヤブ医者にとっては迷惑な話だろうが...。

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com