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脚(あし)が「痒い!」:乾燥肌それとも診断の難しいRLS? (BBC-Health, December 25, 2017)

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 冬のドライブでは、エアコンの温風で、とくに足元が乾燥肌になりやすく、夜ベッドに入ると、脚がムズムズして痒くなる。
 ところが、これによく似た症状で、まったく違う疾患がある。それは、まるで、蜂の群れに刺されたように痒くなる「restless legs syndrome (むずむず脚症候群、RLS)。

"It makes you want to scratch your legs and get up and walk about - it was just impossible to lie down and sleep because one's legs were twitching in this uncontrollable way."
[ 夜中に脚を掻きむしりたくなって目が覚め、歩き回ることも。抑えきれないほど脚が引きつってしまい、横になって眠ることなど不可能だった。]

 「Guy's and St Thomas Hospital (ガイズ&セント・トーマス病院)」の Dr Guy Leschzinerによると、
"Restless legs syndrome is a common neurological disorder that causes an irresistible urge to move, particularly at night, and is often linked with unpleasant sensations."
"It affects up to one in 20 adults and can cause severe sleep deprivation."
[ RLSはごく一般的な「neurological disorder (神経疾患)」で、とくに夜中に脚がムズムズして動かさずにはいられなくなる。脚に不快感を伴うことも多い。]
[ 成人の20人に1人の割合で発症し、深刻な睡眠不足を引き起こす。]

RLS疾患の多くは遺伝性、しかし鉄分の不足や妊娠で発症することもある。(罹患率 5%で計算すると、日本のRLS患者数は推定約 50万人。)
 治療では、カフェイン、アルコールの摂取を避け、ストレッチやマッサージなどの軽い運動も効果があるとされる。ただし、人によっては投薬が必要。

 ところが、一度、不眠症になった人が、正常な睡眠を取り戻すことは容易ではない。Dr Leschzinerは「気晴らし (distraction)」も欠かせないと言う。ベッドに入って「眠ろう、眠ろう」とがんばることは止め、本を読んだり、音楽を聴いて、脳がごく自然に眠りにつくようにすることも大切だそうだ。
 

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 しかし、最も重要な点は、この「むずむず脚症候群、RLS)」の診断が難しいこと。イギリスの美術史家 Ms Mary Roseは、これまで医者の診断を受けても、医者は RLS疾患と特定できず、何年も「脚の痒み」と「不眠症」に悩まされたという。コルクをベッドの足元に入れる「おまじない」、「痒み止め軟膏」などは何の役にも立たなかった。RLSは皮膚疾患でなく、神経疾患だったからだ。

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                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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