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職場の鬱(うつ)対策:大々的なプロジェクトよりも小さな気配り! (BBC-Health, December 18, 2017)

https://ichef-1.bbci.co.uk/news/936/cpsprodpb/AA52/production/_99220634_nataliehall1.jpg

 病気の苦しみは、病気に罹った人でなければ分からないもの。鬱(うつ)病は本当につらいという。漢字の鬱は「むせるほどに湿気が籠もった林の中に追い込まれた状態」を表わしている。

 Ms Nalie Hall (36歳) も、ウツ病に苦しんだ 1人。職場で精神的に追い詰められ、机に座っても、コンピュータのモニターの陰に頭を低く隠して、ただ 1日を生き抜くのがやっとだった。
 ただし、どんなに、苦しくても、この病気のことを仲間に打ち明けることはできなかった。「ウツ」だと知られて、仕事を失ってしまうのが怖かったからという。周りの人から「だいじょうぶなの?」と声を掛けてもらっても、ドンドン落ち込んでしまった。

 チャリティ団体「Time to Change」が「職場で心を開いて話ができる話題」について、イギリスで働く 2,025人にアンケート調査を実施したところ、次のような結果を得た。

・36%:身体の健康上の問題
・26%:金銭上の問題
・18%:性に関する問題
・16%:心の健康

 一方、「職場で心の病に苦しむ仲間 (colleague) を見つけたら、どうするか」と尋ねた質問では、次のように回答した。

・58%:励ます
・16%:上司に報告する

 このことから、分かるように、ウツに苦しんでいる人は、病気の発覚を恐れて、ほとんど誰にも言わず、「putting on a brave face (平静を装う)」。

 Ms Hallは、現在、徐々に職場に復帰できるほとに健康を回復したが、ウツで苦しんだ当時を振り返って、職場の仲間には、困っている人をサポートする気持ちがあっても、「的確な言葉」、「励まし方」を知らないことに気づいた。

 ウツで苦しんでいる人が望むのは、「大々的な対策プロジェクト (big projects)」でも何でもなくて、「だいじょうぶなの?」と言って、すぐにその場を立ち去るのではなく、その人の横に座って、話し相手になって上げるか、あるいは、何も言わずに、ただ側にいてくれるだけでも、随分と気持ちが楽になるという。それに、

・I'll make you a cup of coffee. [ コーヒーを持って来ましょう。]
・Sahll we go and have a little walk? [ ちょっと机を離れて、歩かない?]
・Shall we get out of the office and got for a coffee? [ 外に出て、コーヒーにしない?]

 たった、これだけの言葉で、ウツの人は「精神的なつらさ」から救われ、職場は明るくなる。仲間を大切にする人は、豊かな心の人だ。

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com