スコットランドのスズメ:川沿いの巣箱で生き残れるか? (BBC-News, December 20, 2017)
今は冬至が過ぎたばかりで、夜明けが遅く、小鳥たちも朝寝坊を楽しんでいるため、その鳴き声で目覚めることもないが、旅先で、聞き慣れない小鳥のさえずりで目が覚めるのは、何とも爽やかで気持ちのいいものだ。
ところがイギリスでは「tree sparrow (スズメ)」の姿が、この5-60年の間にめっきり少なくなった。1994年以降、ようやくその数が回復傾向にあるとは言え、現在のスズメの生息数は1960年代の 10%に過ぎない。
数年前の初夏、ロンドンのホテル近くの公園を散策したとき、植込みの緑には元気がなく、小鳥の数もその種類も少ないのに驚いた。
鳥類保護団体「Birds of Conservation Concern」は、スズメを「highly threatened (高度に絶滅のおそれがある)」種として「レッド・リスト」に載せている。
そこで「The Royal Society for the Protection of Birds (英国王立鳥類保護協会)」のRSPB Scotlandは、スズメの生息数を増やす策として、「Scottish Water」社が運営する各「water treatment works (上・下水道処理施設)」に巣箱を設置することにしたという。
設置地区は、スコットランド西部「Dumfries and Galloway (ダムフリース・アンド・ガロウェイ州)」を流れる 4本の川 Anna, Nith, Urr, Deeの流域沿い。この一帯は川、水路、池が幾つも見られる湿地帯で、スズメのエサとなる昆虫の生息に適し、その種類・個体数も多い。
この計画を進める PSPBの Ms Julia Gallagherは、この地区の上・下水道施設各所に巣箱を設置し、スコットランドのこの州が、スズメにとって「wintering and breeding (越冬と繁殖)」の理想的な「habitat corridors (生息回廊)」となることを期待している。
庭に小鳥が来なくなるなんて、それは、なんとも不自然な風景だ。このままでは、子どもがスズメを指さして、「あれは何という小鳥?」と尋ねる日も、そう遠くはないかも知れない。
(写真は添付のBBC Newsから引用)