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いつまでも若々しい人:遺伝子、細胞老化、生活スタイルに秘密! (BBC-Health, December 19, 2017)

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 生物 (organisms) は永遠に生きることはできない。器官が摩耗し、あるいは故障しても、それらの細胞を修復できないときが来るからだ。人間も、その体細胞 (human cells)の分裂を繰り返して成長するが、その分裂回数には限りがある (Hayfrick limit (ヘイフリック限界 PDL:50))。
 DNAをコピーして細胞が分裂する際に、ミスが避けられず、ミスが重なると「ガン(cancers)」の発生につながってしまう。コピー制限は生物の細胞内にプログラム化されたガン予防対策なのだ。
 この細胞の分裂を停止させるプロセスが「細胞老化 (cellular senescence)」。

"Cellular senescence helps keep humans predominantly free of cancer in the first half of life."
"But as we age, the senescence cells accumulate, secreting inflammatory molecules that can damage neighbouring tissue and help trigger several diseases of ageing."

[ 細胞老化は、人間の前半生ではガンから逃れる有力な細胞機能として働く。]
[ しかし、年をとるにつれて、この老化細胞が体内に蓄積され、炎症分子を隠匿するようになる。炎症分子が存在すると、その周囲の細胞組織が損傷を受け、加齢に伴うさまざまな病気の切っ掛けとなってしまう。]

 とくに、加齢のの影響を受けやすい組織は関節 (joints) と目 (eyes)。老化細胞がこれらの組織に集まると、関節には「osteoarthritis (変形性関節症)」、目には「age-related macular degeneration (加齢黄斑変性)」の発症リスクが高まる。したがって、たとえば、膝から「老化細胞」を取り除くと、その機能の回復が期待できることになる。
 この考え方に基づいて製薬会社「Unity Biotechnology」は新薬を開発し、2018年臨床試験を開始する予定だ。

 また、老化(ageing)を遅らせる薬剤として「metformin (メトフォルミン)」も注目されている。メトフォルミンは過去 60年以上にわたって、安価な糖尿病の「一次治療 (first-line treatment)」薬として使用されてきた。動物実験では、メトフォルミンを投与すると、動物が丈夫に育ち、寿命も延びることが示されている。
 人間を対象にした研究では、糖尿病に限らず、メトフォルミンは心臓病や認知低下(cognitive decline) にも効果のあることが確認されている。

 しかし、なぜ、この薬が「diseases of ageing (加齢に伴う病気)」の進行を遅らせるのかは、よく分かっていない。おそらく、細胞の「oxidative damage (酸化損傷)」や「inflammation of cells (細胞の炎症)」を和らげる作用があるのではと考えられている。

 Ms Hilda Jaffe (95歳)は、今でも「The New York Public Library (ニューヨーク公共図書館)」でボランティアの「tour guide」として働き、館内をキビキビと歩き回るアメリカ人。毎日、「The New York Times」紙に掲載されるクロスワードを解いて、2つの図書クラブに加入し、オペラ、クラシックコンサート、観劇に出かけるなど、常に忙しくしている。

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 その長寿の秘訣を本人に尋ねたところ、「Pick your parents .(両親のお陰)」と答えたという。Ms Jaffeのように、遺伝子の中に、「genetic variants (遺伝子変異体)」の「protective super-ager genes (加齢に伴う病気に対して抵抗力のあるスーパー長寿遺伝子)」を持っている人もいる。ただし、そのような人は 10,000人に 1人。

 ところが、どんなに遺伝子に恵まれていても、その遺伝子だけに頼るのは危険だ。「The Institute of Ageing (アメリカ国立老化研究所)」の Dr Nir Barzilaiによると、そもそも病気の原因は、肥満、タバコの吸いすぎ、運動不足、不健康な食生活などによるところが大きいという。

  注意すべきは、「単に生きる」と、「溌らつと生きる」とは、まったく違うことだ。

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com