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1億年前まとわりついて、恐竜に嫌われた!:吸血ドラキュラダニ (BBC-Science & Environment, December 12, 2017)

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 ダニはダニでも、葉っぱの裏にはびこる葉ダニや動物に寄生するマダニ、さらには「働かずに他人にたかって生活する、きらわれもの (学研 現代新国語辞典)」まで多種多様。その種類は1万種以上とされる。しかし、一般にダニは吸血性の「マダニ (ticks)」と「コナダニ類など (mites)」に分類される。
 
 さらに、マダニ (ticks)にも沢山の種類が存在し、マダニとは「節足動物門𨦇角亜門クモ網ダニ目マダニ科に属するダニの総称」だ。つまり、生物学的には、クモやサソリなどの仲間に近い「寄生生物 (parasitic organisms)」ということになる。
 やっかいなことに、このマダニは人間、ペット、家畜、野生動物などに取り付いて、その血を吸っては、ウイル性感染症などの病気を広げるから、始末が悪い。北海道では、ダニ媒介脳炎秋田県ではツツガムシ病を発生せる悪玉として「infamous (悪名高い)」。

https://ichef-1.bbci.co.uk/news/695/cpsprodpb/F6D3/production/_99178136_c8951566-a7b3-44b2-af1d-4e2370792a90.jpg

 さて、「The Oxford University Museum of Natural History (オックスフォード大学自然史博物館)」の Dr Ricaldo Pérez-de la Fuente、「The Spanish Geological Survey (スペイン地質調査所)」のMr Enrique Peñalver、「The American Museum of Natural History (アメリカ自然史博物館)」の Dr David Grimaldiらの国際研究グループは、ミャンマーで発掘された琥珀 (amber) の中に閉じ込められた 2匹のマダニに注目した。

 詳しく調べてみると、その1匹は、なんと恐竜の羽毛 (feathers) に絡みつき、もう1匹は恐竜の血をたらふく吸って膨らんでいた。年代測定の結果、今から約 9,900万年前の「白亜紀中期 (mid-Cretaceous age)」の頃の化石と特定された。
 発見されたマダニは、いずれも現在、絶滅した種であったため、学術名「Deinocroton draculi」、英語名「Dracula's terrible tick (恐ろしい吸血ドラキュラマダニ)」と名付けられた。

 このマダニの発見で、今から約1億年前、「原鳥恐竜 (bird-like dinosaurs)」だけに留まらず、2足走行の「獣脚恐竜 (theropod dinosaurs)」の多くの仲間にも、羽毛 (feathers)が生えていたこと、また、その頃すでに、マダニが恐竜の巣あるいはその近くに潜んで、恐竜に寄生して生息する生態系 (ecology) をつくり上げていたことが分かったという。

 その後、約 6,600万年前のことだ。小惑星がメキシコ南東部のユカタン半島沖に衝突し、恐竜は「大量絶滅 (mass extinction)」で死に絶える。しかし、その小さなマダニは、必死に「命のクモの糸」にしがみつき、かろうじて「生き延びる」ことに成功する。
 皮肉なことに、宿主 (hosts) が滅びても、その寄生生物が生き延びて、後の世でも繁栄したのだ。
                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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