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蠅(ハエ):やっぱり、病原菌の運び屋だった! (BBC-Science & Environment, November 24, 2017)

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 レストランや食堂で、蠅(ハエ)がテーブル近くを飛び回ると落ち着かない。こちらの隙を狙って料理の上にサッと留まり、留まったかと思うとサッと逃げる。その逃げ足もすばやい。そしてしつこい。目的を果たすまで、狙ったエサ場を離れない。いまいましい悪党だ。

 ペンシルベニア州立 (Penn State) 大学の Donald Bryant 教授らの研究チームは、イエバエ (house fly)、クロバエ (blowfly) の体に付着した細菌 (microbes) を調べ、その結果を科学雑誌「Scientific Reports」に発表した。

 その結果に驚く。何と、蠅の足にも羽にも病原菌がうじゃうじゃ。その数は膨大で、「DNA塩基配列決定法 (DNA sequencing techniques)」によって種類別に分類すると、イエバエで 351種、クロバエには 316種の細菌が見つかった。

 蠅は「stomach bugs (食あたり)」、「blood poisoning (敗血症)」、「pneumonia (肺炎)」などの感染源となっていた。どうやら、これまで「public health officials (公衆保健当局)」は、蠅が「a source of disease outbreaks (病気の発生源)」であることを見落としていたようだという。

 しかし、この悪党の蠅にも使い道がありそうだ。
 蠅が運んでいる病原菌を特定できれば、その病気の感染が事前に予測できる。すなわち、早期警戒システム (early warning systems) の役割を担わせること。また、狭い空間に蠅を放し、隙間に隠れた細菌を拾わせる。つまり蠅を「living drone (生物ドローン)」のように使うことも考えられるという。

 一つめの利用目的は期待できそうだ。しかし、問題は、2つめの「autonomous bionic drone(自律型バイオ・ドローン)」計画。蠅は人間が思うように飛んでくれるだろうか。だれもが予想もつかなかったバイ菌を表舞台に連れ出して、しかも、その蠅が人の手から逃げ出したら...。
 蠅の顕微鏡写真を見なくとも、背筋がゾッとする。

https://ichef.bbci.co.uk/news/695/cpsprodpb/2183/production/_98897580_156702.jpg



                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com