英語のことわざに「An apple a day keeps the doctor away .(1日 1個のリンゴで医者いらず)」がある。カナダの大学のキャンパスでは、朝の授業開始前に、リンゴをかじりながら歩き回っている学生の姿をよく見かけた。
ところが、Southampton大学の Dr Robin Poole らの研究グループは、ほとんと「Three coffees a day keeps the doctor away. ( 1 日コーヒー 3 杯で医者いらず)」の結論を引き出し、その詳細な研究内容を医学雑誌「BMJ (British Medical Journal)」に発表したのだ。
Dr Pooleらは、これまでに発表された「コーヒーと健康に関する」研究論文218編を精査した。その内訳は「observational research (観察調査)」に基づく研究論文が 201編で、残る 17編には「clinical trials (臨床試験)」のデータが含まれている。
その結果、1 日コーヒー 3 杯を飲んでいる人は、全くコーヒーを飲まない人に比べて心臓病 (heart problems)、認知症 (dementia) や早死 (premature death) のリスクの低いことが分かった。
"Coffee was also associated with a lower risk of several cancers, including prostate, endometrial, skin and liver cancer, as well as type-2 diabetes, gallstones and gout, the researchers said. The greatest benefit was seen for liver conditions such as cirrhosis of the liver."
[ 研究者によると、適量のコーヒー摂取は、前立腺ガン、子宮内膜ガン、皮膚ガンなどの各種ガンや2型糖尿病、胆石、痛風の発症リスクの低下にもつながっていたという。とりわけ、その効果が大きく現われたのは肝硬変だった。]
ただし、妊娠中の女性は 1 日フィルター・コーヒー 1 杯程度に控えるのが賢明。過剰なcaffeine (カフェイン) の摂取は「流産 (miscarriage)」のリスクを増加させる。
しかし、なぜ、コーヒーが数々の病気の発症リスクを抑えているかは不明。したがって、病気の予防のためにコーヒーを飲むのは勧められないという。Dr Poole らの研究はデータの相関性を解析したものであり、医学的な「cause and effect (因果関係)」を確認したものではないからだ。
なお、こお 1編をまとめるに当たって、以下の「The Guardian」の記事も参考にした。
November 23, 2017, the guardian
「Three coffees a day linked to a range of health benefits」
(写真は添付のBBC Newsから引用)