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心電図・トロポニン検査は古い:20分で結果が出る最新検査法! (BBC-Health, September 27, 2017)

https://ichef.bbci.co.uk/news/936/cpsprodpb/F4FD/production/_97571726_attack_spl.jpg

 病院で検査を受けようと思っても、今ではほとんどが予約制。その上、検査機器も技術も、検査結果待ちの日数も病院によってまちまちで、運が悪いと、とんでもないことになりかねない。
 
 ところで、「心電図 (Electrocardiogram, ECG)」は、心疾患の診断に欠かせない。しかし、「life-threatening (命にかかわる)」疾患でも、ECGでは発見できないことが多いと言う。
 胸に痛みを覚えて受診し、ECGで調べても、そのチャートでは「clear (問題なし)」。そんなとき、「troponin blood tests (トロポニン血液検査)」が実施される。

"But it needs to be repeated three hours later to pick up signs of heart muscle damage."
[ しかし、心筋損傷の兆候を把握するためには、通常、この血液検査を繰り返し行なう必要があり、所要時間は3時間。]

その間、患者はベッドに寝たきりの状態となる。

 そこで、London大学「King's College London」Dr Tom Kaier らの研究グループは、血液中の「心臓ミオシン結合タンパク質C (cardiac myosin-binding protein C)」の濃度を検出する新たな検査法を開発し、その臨床試験に取り組んだ。この血液検査は1回だけで済み、しかも、より迅速で精度の高い診断結果が得られたという。現在のところ、研究段階のため、その検査結果が出るまでに3時間掛かる。しかし、

"If the test were to be used routinely, it could provide doctors with reliable results within 15 to 30 minutes. "
[ このcMyC検査が、(病院等で)ごく普通に実施されるようになれば、医師は15~30分以内で検査結果を確認できるようになる。]

 研究者は、今後 5年を目処に「cMyC血液検査」を実用化に漕ぎ着けたい考えだ。

 「The British Heart Foundation(英国心臓基金)」病院では年間 7,800件の「troponin blood tests (トロポニン血液検査)」を実施している。もし、これを「cMyC検査」に変更すると、患者の「入院 (admissions)」が不要になるため、年間 £800,000 (約1.2億円) の節約となる。他の病院でも、この血液検査を採用するとなれば、その節約額は巨額にのぼるはずだ。

 心臓に不安を抱えている人にとって、このニュースは極めて朗報。また、年々増加する一方の国全体の医療費を少しでも削減するためには、このような地道な医療技術の改革と医療システムの見直しが必要なことは言うまでもない。
                        (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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