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水資源:その奪い合いと戦争を避けるために! (BBC-Future, September 22, 2017)

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 川や水田が整備された今でこそ、めったに水不足 (water scarce) に陥ることはないが、日本が農業国であった時代には、田んぼに引く水の量をめぐって、日本の各地で争いが頻繁に起きた。

"Since the dawn humanity, it can be argued that fresh water has been the most basic, most important thing for survive. But as we move further into the 21st Century, water is now even more important. Its availability(will there be enough?)and accessibility(will everyone get some?)will be key issues the human race will have to get grapple with."

[ 人類がこの世に誕生して以来、新鮮な水を手に入れることは、生きる上で最も基本的かつ重要なことであった。しかし、人類が 21世紀を突き進む中で、水資源がこれまで以上に深刻な問題になってきている。水の入手可能性 (十分な水の量を確保できるか)とアクセス可能性 (誰もが水源に行き、幾ばくかの水を得ることができるか) の 2点は、人類が今後取り組まなければならない課題である。]

 とくに、近年は地球温暖化 (global warming)、海面上昇 (see level rise)、環境・水汚 染 (environmental pollution)、労働市場の変化 (changing workplace) が相まって、ますます、新鮮な水を手にすることが難しくなってきた。
 また、一部の国では、力と権力、財力を背景にした商業目的の水資源の独占化(monopolisation) が急速に広がり、貧困にあえぐ国、砂漠化が進む国、井戸水さえヒ素に汚染された国々では、想像を絶する苦境に立たされている。

 水資源は「世界平和の要 (かなめ ) (a lynchpin for world peace)」でもあり、国際紛争の火種になりかねない要素でもある。

"Take an example: the Nile flows through myriad countries starting in Ethiopia and ending in Egypt. That gives Ethiopia an upper hand in geopolitics, because if tensions prompted it, it could theoretically cut off or limit that huge water supply to Egypt."

[ ナイル川を例に挙げると、ナイルは多くの国を縫うように流れる大河。この川はエチオピアに源流を発し、最終的にはエジプトに注ぎ込む。このため、エチオピア地政学上の支配権を有することになり、関係国間の緊張によって追い込まれた際には、エチオピアは、理論的にナイルの流れを完全に止めるかあるいは水量制限することも可能だ。]

 川をめぐる国際的な争いは、現に、チベット高原から中国、ラオスなど数カ国を通ってベトナムに至るメコン川で起こっている。

"Without clear distinctions of who it belongs to and how to share it, the world would be thrown into chaos"
[ 水は、一体、誰のもので、どうように分配すべきか。このことを明確にできない限り、世界はカオス(混沌とした争いの場)になりかねない。]

 そこで、もしも、水が大量に作り出せたら。この夢のような願いをかなえようと、非営利団体「Xprize」の Ms Zenia Tata が「Water Abundance project」を立ち上げた。
 その目標は、再生可能エネルギーだけを使って、大気中から 1 日少なくとも 2,000 Lの水をつくり出す装置の開発。

 この目標に California大学の Omar Yaghi 教授らの研究グループが「metal organic frameworks, MOF (金属有機構造体)」と呼ばれる物質を使って挑戦し、すでに、大気中から MOF粉末 1 kgに対し 12時間で 3 Lの水をつくり出すことに成功している。

 誰もが必要に応じて 簡単に水をつくれるようになれば、特定の国あるいは個人・資本家が水を独占しようとしても、その価値も支配効力も大幅に下がるはずだ。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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