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真夜中の教会の鐘の音:パブの泊まり客は悲鳴 (BBC-News, September 18, 2017)

https://ichef.bbci.co.uk/news/904/cpsprodpb/1DA1/production/_97858570_capture.jpg

 イングランド北西部のスコットランドとの国境には、山と湖の風光明媚な「Lake District (湖水地方)」が広がる。この一帯は 2017年、UNESCOの「Worlld Heritage Site (世界遺産)」に登録された。湖水の一つの湖「Coniston Water」の北に、人口 1,000人足らずの農村「Coniston」がある。

 この村の歴史は古い。なにしろ、「古代ローマ人」、いや、それ以前のケルト系「Ancient Britons (古代ブリトン人)」の時代から、この地で銅 (copper) が採掘されていた。Conistonは、現在でも良質の「slate (スレート)」を生産している、歴史ある鉱山の地だ。

 Coniston の一角に、1819年建立の「St Andrew's Church」がある。教会のパトロンとなった「The Barratt family (バラット家)」は、銅鉱山で財をなした家系。
 その教会と道路を挟んで真向かいに、宿泊を兼ねる「pub (パブ)」の「Yewdate Inn」が建っている。ところが、教会は、旧態依然として、頑(かたく)なに慣例を守り、真夜中でも住民に鐘 (bells) を鳴らして、時刻を伝えた。それは、時計が珍しかった 200年以上も昔の「しきたり」だ。

 パブ「Yewdate Inn」の客室は9室。このパブに宿泊した客人は、真夜中の鐘の音に苛(さいな) まれて、「眠れない」とパブのオーナーに訴える。オーナーの Mr Jeff Hartは、ついに「South Lakeland District Council (南湖水地方評議委員会)」に改善策を願い出た。この願いを受けた「Council」は、直ちに実態を調査し、教会側に「overnight noise (夜通しの騒音)」減に向けて対策を講じるように指示。
 教会は夜 11:00 から翌朝 7:00 まで、鐘を自粛することにし、夜は静かになった。

 ところが、住民の一人 Ms Anne Hall は、この夜の静けさに、怒りを露わにする。

"There are many others that say they like the sound of the country bell.
"It's part of our village life and when you hear them they give you a feeling of community."

[ (真夜中に轟く)教会の鐘の音が好きだと言う人は、他にもたくさんいるわ。]
[ あれは、この村の、生活の一部なの。教会の鐘の音を聞くと、コミュニティの一体感を感じるのよ。]
 
 おそらく、Ms Hall の頭の中は、「When in Rome, do as the Romans do.(郷に入っては、郷に従え)」。『ずうと昔から、教会の鐘は真夜中でも鳴り響いていたし、これまで誰も文句を言わなかった』と。そして、『私は、真夜中にも教会の鐘の値を聞くのが好きだ』。
 
 しかし、この主張は間違っている。個人的な「like (好き)」と「nuisance( はた迷惑)」とは、まったく別な次元の問題。また、悪習が改善されない限り、社会・文化それに人類自身の進化 (evolution) は望めない。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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