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小さい葉っぱに大きな葉っぱ:それを決めるのは夜の寒さ! BBC-Science & Environment, August 31, 2017) te

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 植物の多様性 (diversity) には驚く。地球上には数十万種の植物が生息していると言われるが、その葉の形も大きさも、みごとに違っていて、個性的なものも多い。
 熱帯のジャングルで勢力をふるうヤシ (palms) の葉っぱは、木々の空間を埋め尽くすように大きく開き、砂漠や高山・高緯度地方に生息する植物は、葉をトゲに変えたり、ごく小さな葉の形に進化させ、脈々と生き延びて来た。

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 もちろん、植物の葉の役割の一つは「photosynthesis (光合成)」。
"Photosynthesis is the most fundamental plant process, whereby sunlight is used to react carbon dioxide with water to produce glucose and oxygen."
"Temperature, carbon dioxide concentration and light intensity are factors that can limit the rate of photosynthesis."

[ 光合成は、植物のもっとも基本的な化学反応で、太陽光を利用して空気中の二酸化炭素 CO2を水と反応させ、グルコースと酸素を生成する。]
[ この光合成の効率を決定する要因は、温度、CO2濃度、それに太陽光の強さだ。]
 
 したがって、葉っぱが大きければ、それだけ光合成が行なわれるため、植物にとっては、葉の大きい方が有利になるはず。なのに、なぜ、種によって、その葉が小さかったり、大きかったりするのか。これは科学者にとって、長い間、「wonder (不思議)」と「fascination (魅惑)」に満ちた「puzzle」であった。

 数十年前のことだ。一つの仮説が提案された。葉っぱの大きさは、生息環境の気温と、植物が吸い上げる水の量に関係するが、日中の強い日差しでオーバーヒートを起こして枯れてしまうリスクがあるため、その大きさは自ずと制限される。これが定説だった。

 しかし、Macquarie大学の Dr Ian Wright らの研究チームが、7,000種を越える植物を調査し、その結果を科学雑誌「Science」に発表した論文によると、従来の考え方では説明できないケースもあるという。

 Dr Wright らが注目したのは気温 (temperature) と生息地の気候 (site climate)。葉っぱは日中の日差しが強すぎてオーバーヒートを起こし、ダメージを受けることもあるが、それよりも、決定的なダメージの要因は「freezing at night (夜間の凍結)」であった。

 確かに、バナナの葉に霜が降りては、ひとたまりも無いに違いない。
                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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