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見せない、吸わせない、曝さない:スコットランドのタバコ規制戦略 (BBC-Health, August 31, 2017)

https://ichef.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/10400/production/_97606566_gettyimages-534005066.jpg

 それを吸うと健康を害し (ill health)、早死 (premature death)にするのは明らかなのに、なかなか止(や)められないのがタバコ。
 NHS Health Scotland によると、スコットランドでは毎年、タバコが原因 (related to smoking) で入院する患者は 56,000人、死亡者数は 13,000以上にのぼる。

 そこでスコットランド政府は、2013年に「Tobacco Control Strategy (タバコ規制戦略)」の導入に踏み切った。その目的は、2034年までに「smoke-free generation (タバコを吸わない世代)」社会を作り上げることにある。

 この度、Edinburgh大学とNHS Health Scotland は、共同で、2013年に施行された「タバコ規制」の総括を実施し、報告書にまとめた。
 その中で注目すべき点は、次の 3点。

・スーパーや店舗からタバコが消えた。
・子どもの受動喫煙の比率が、11% (2014年) から 6% (2015年) と半減した。
・国民医療サービス構内 (NHS grounds) の禁煙対策が実施された。

 さらに、タバコの店頭販売禁止 (display ban) のお陰で、若い人たちの中には、タバコのブランド名を知らない人も現われて来た。

 Edinburgh大学上級研究員 Dr John McAteer は

"Scotland has some of the most Progressive tobacco control policies in the world, and Scottish smoking rates have fallen from 31% in 2003 to 21% in 2015."

[ スコットランドは、世界で最も斬新的なタバコ規制を進めている国。(このせいで、)2003年に 31%であった喫煙率が、2015年には 21%に減少した。]

 しかし、それでも問題は残る。貧困層にタバコを手にする人が多い点だ。Scotlandの貧困地域 (most deprived areas)と富裕地域 (most affluent areas)で、タバコの喫煙率はそれぞれ 35%、10%。貧困が大きな差を引き起こしているようだ。

 かって粋人と呼ばれた「洋行帰り」、「上流階級」、「作家」、「権力者」等々の面々は、指に火の付いたタバコを挟み、時折、それを口にくわえて、煙を吐いては、これを粋と称した。今、その仕草は、時代錯誤で、ダサイ。
                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com