人は、どうして、こうも薬を飲むようになったのだろう。
その原因の一つは、昔の人に比べて歩かなくなったし、体を動かさなくなったことにありそうだ。
小さな子どもでさえも、暇さえあればゲームやスマートフォンに夢中になり、若ものの言いぐさ・口癖は「めんどうくさ」。働き盛りになると、家事や仕事で一日中追い回され、運動 (exercise) どころでない。
仕事を終えた高齢者は、昔のように外に出て庭いじりや畑仕事をしようにも、アパート・マンション暮らしでは、そんな土地などありはしない。あるいは、すでに売り払ってしまっている。
こんな状況で、健康を保つのは、どの国の人にとっても、至難の業 (わざ) だ。この世には、空腹が満たされても、健康と幸せに縁のない人は幾らでもいる。しかし、それを他人のせいにしてはいけない。
「Public Health England, PHE (イングランド公衆衛生局)」は、イングランドの中年(middle-aged people)に属する 40 - 60歳の運動不足の実態を、次のような数字で示している。
・41% :月に10分間の早歩き (brisk walk) さえ、実行しない中年層の割合
・6人に1人 :運動不足が関連して死亡する人の割合
・15% :毎日10分間の早歩きで、早死のリスクが減少する割合
・20% :1960年代に比べて減少した運動量
・15miles :20年前に比べて減少した平均歩行距離
おわかりのように、40歳を過ぎると、急速に運動量が少なくなっている。そこで、PHE の Dr Jenny Harries のお勧めは、
"But walking the shops instead of driving, or going for a brisk 10-minute walk on your lunch break each day, can add many healthy years to your life."
[ 車を使わずに歩いて買い物に行ったり、毎日、昼休み時間に 10分間の早歩きをすると、あなたの人生に健康の日々がやって来る。]
早歩きのコツは、呼吸が少し速くなって、心拍数が上がる程度の歩く速さ。「A daily 10-minute brisk walk」は決して、十分な運動量ではないが、それでも、次の疾患の発症リスクを下げる効果はあるという。
・high blood pressure :高血圧
・diabetes :糖尿病
・weight issues :肥満に関わる健康障害
・depression :うつ病
・anxiety :不安神経症
・musculoskeletal problems:筋骨系疾患(腰痛など)
(ex. lower back pain)
ちなみに、Ms Maureen Ejirmofor (44歳)は、3年前、114kg (18 stone) であったが、歩き始めて7ヶ月で 32kg (5 stone)も減量に成功し、現在は「歩け歩け運動」のリーダー。
余談:車で買い物に出かけたとき、入り口から離れた駐車スペースに車を止めて歩くこと。さらに、デパートの階段を、地下から屋上まで早足で3回ほど上ることをお勧めする。運動を常に意識すると、何ら苦にならない。重い物を持っても楽しくなる。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)