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氷の大陸グリーンランドが燃えている?:永久凍土層に火が付いた! (BBC-Science & Environment, August 9, 2017)

https://ichef-1.bbci.co.uk/news/834/cpsprodpb/8F13/production/_97272663_fire1.jpg

  今年の夏は、ポルトガル、US、カナダ、フランスと相次いで山火事 (wildfires) が発生し、大きな被害をもたらした。
 ところが、この7月末、人工衛星に搭載されたカメラは、あの氷に覆われたグリーンランドにも、複数の煙 (plumes) が上がっているのを捉えた。そこは、グリーンランド第2の都市「Sisimiut (シシミウト)」の北西部。グリーンランドは大陸の 80%が厚さ3,000mの氷床 (ice sheet) で覆われているが、燃えている地域は、氷床から 70kmと離れていない「peat (ピート)」がむき出しになった沿岸部一帯だ。

 この一帯は、トナカイ (reindeer) にとって貴重な牧草地になっている。近年、過去に例がないほど、グリーンランドが乾燥していた。そこに、何らかの原因で火がついて山火事となった。警察当局は、「hikers and tourists (ハイカーや旅行者)」に対し、火災地域に立ち入らないようにと警告している。

 山火事と言っても、燃えているのは「shrubs (灌木)」や「mosses (コケ)」ではない。永久凍土層 (permafrost)が融解した「peat soil (ピート状土壌)」。このため、「fire line (防火帯)」の進行は、通常の山火事に比べて、ごくごくゆっくりしたもの。地元住民は「soil fire (土壌火災)」と呼ぶ。

 オランダの Delft大学 Dr Stef Lhermitte が過去にグリーンランドで発生した火災のデータを分析した結果、昨年 1年間の火災発生件数は、過去 15年間で発生した火災件数よりも多いことが分かったという。

"Peat fires worry researchers because the material stores large amounts of CO2 that is released through burning. They are also worried that the 'black carbon' soot arising from the fires could land on the ice sheet and cause further melting."

[ このピート火災が研究者たちを悩ましているのには、理由がある。永久凍土層が溶けたピートには、大量の CO2が含まれていて、これが火災によって大気中に放出されるためだ。さらに、火災によって発生するブラック・カーボン状の煤 (すす) が、グリーンランドの氷床面に降り注いで、氷の融解を早めてしまうことも悩ましい。]

              (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com