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シャボン玉のように、心が壊れて消える:これを防ぐ9つの盾とは! (BBC-Health, July 20, 2017)

  

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 自分が誰なのか、わからなくなるなんて..... 。「dementia (認知症)」は、生きながらにして、自分の心を失う恐ろしい病気だ。その語源はラテン語「dement」にあり、「out of one's mind (心、ここに在らず)」の意。

 現在、イギリスの認知症罹患者数は 85万人 (日本では推定約 500万人強)。2050年には、世界全体で 1億 3,100万人に達すると言われている。
 では、人は、なぜ認知症になるのか。その発症メカニズムはまだ十分に解明されていない。確かに、この病気は 65歳以上の高齢者に多い。けれども、脳のダメージは、若いときからすでに始まっていることが分かって来た。

 そこで、「University College London」の Livingstone 教授らの研究グループは、これまでに発表された 24本の論文データを精査、分析し、人の「生活要因 (lifestyle factors)」が認知症の発症リスクに深く関与していることを突き止めた。(詳細は The Alzheimer's Association International Conference にて発表。)

 その危険因子は 9つ。したがって、誰もが、この「potentially modifiable factors (修正可能な潜在的危険因子)」を遠ざけるように努力すれば、計算上、認知症の発症確率は1/3に激減する。ただし、危険因子の寄与率の合計は 35%。残りの 65%は、個人の努力では如何とも、し難い部分だ。

                         危険因子                                寄与率
1.mid-life hearing loss (中年期の難聴)              : 9%
2.failing to complete secondary education (不完全な中等教育):8%
3.smoking (喫煙)                         :5%
4.depression (うつ)                       :4%
5.physical inactivity (運動不足)                   :3%
6.social isolation (社会からの孤立)                  :2%
7.high blood pressure (高血圧)                   :2%
8.obesity (肥満)                        :1%
9.type 2 diabetes (2型糖尿病)                  :1%
                                                                                                    計35%

 なお、このデータ解析では、「dietary (食生活)」と「alcohol (アルコール摂取)」に関するデータが不足していたため、計算から除外された。そのどちらも、認知症に深く関与していると考えられるという。

 さらに、BBC-Health (17 July 2017) の
「Stressful experiences 'can age the brain by four years’」
では、人生で離婚、子どもの死、火災などの不幸に遭遇し、強いストレスを受けると、脳に「inflammation (炎症)」を引き起こし、認知症の発症リスクを高めるとする研究結果も紹介している。

              (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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