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睡眠6時間以下は魔の領域:そこで病魔が待ち受ける! (BBC-Capital, July 7, 2017)

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/wm/live/976_549/images/live/p0/57/zc/p057zcv4.jpg

 現代人は忙しい。そもそも、しっかり働いているのに、「work more, sleep less. (もっと働け、寝なくともいい。)」などと、自分の都合に合わせて、とんでもないことを言う上司・会社が増えた。理不尽な成果主義に振り回されていては、体がボロボロになる。
 ときに、Donald Trump, Barack Obama, Margaret Thatcher などを引き合いに出し、特異な人間は皆、睡眠時間が 5時間以下だと、うそぶく。

 神経科学、心理学が専門の California 大学 Matt Walker教授によると、1940年代の人の睡眠時間は平均 8時間であったが、現代人は 6.7~6.8 時間しか眠らない。この70年間で、先進国の人類は 20%も睡眠時間を削ってしまった。

 昔に比べて、良質のベッドに、タバコの煙から解放された快適な寝室。それなのに、なぜ、睡眠時間が少なくなってしまったのか。そこには様々な要因が潜んでいる。コーヒーは眠気を吹き飛ばし、お酒を飲むと、レム睡眠がなくなるのも一因だ。
 さらに、Walker 教授によると、エアコンによって、一年を通して室内が常に一定の温度に保たれていることも、健康には逆効果を果たしているという。太陽が沈んで気温が下がり、翌朝、朝日が昇って、また気温が上がる。この「自然のリズム (natural ebb and flow)」を体が感じなくなり、体内時計が正常に機能しなくなったという。

 これに追い打ちを掛けているのが、強烈な青色光を放つコンピュータのモニタ・スクリーン。

"Now that blue light unfortunately will put the brakes on the release of a hormone called melatonin at night, and melatonin signals when you should sleep."
[ 夜になって、眠くなるのは、メラトニンが分泌されるため。ところが残念なことに、、現代社会では、青色光がこのホルモンの分泌を妨げてしまっているのだ。]

 それに、夜半に配信する e-mail。就寝前に精神が高ぶると、すぐに眠れない。ますます、就寝が遅くなる (sleep procrastination)。

 それでは、睡眠が十分にとれないと、どうなるか。Walker 教授は次のように答える。

"Based on probably about 10,000 research study papers now. The number of people who can survive on six hours of sleep or less and show no impairment, rounded to a whole number and expressed as per cent, is zero."

[ これまでに発表されたおよそ 1万件に及ぶ研究論文を整理した結論。睡眠6時間以下で、体に何の支障も来さない人は、ほとんどいない。パーセントの数値 (小数点以下切り捨て)で表わすと、0%となる。]

 なお、睡眠7時間以下は、睡眠不足 (deficient sleep)。それは「health consequences (健康に重大な影響)」を及ぼし、

・Alzheimer's :アルツハイマー
・cancer   :ガン
・obesity  :肥満
・diabetes  :糖尿病
・anxiety       :不安神経症
・depression :うつ病
・suicidality   :自殺傾向

などの病気と強い因果関係 (casual links) があるとされる。
                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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