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食中毒の原因は何?:アメリカで起きた不思議な事件 (BBC-Future, June 28, 2017)

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/wm/live/976_549/images/live/p0/57/61/p057613t.jpg

 この時期、食中毒 (food poisoning) には十分に気を付けたい。大腸菌サルモネラ菌は梅雨から夏にかけて暴走しがちだ。
 しかし、アメリカでは 2015年の 12月、不思議な食中毒事件が発生した。「E. coil (大腸菌)」感染が全米 20州で、だらだらと広がったのだ。それも感染者の 80%は女性だった。
 「The Centers for Disease Control, CDC (米国疫病予防管理センター)」はすぐに感染源の割り出し調査に乗り出す。感染者一人につき30分以上の「聞き取り調査 (interview qustionnaire)」から、大腸菌 DNAの遺伝子解析まで実施したという。しかし、どれも、大腸菌感染の原因究明にはつながらない。調査は暗礁に乗り上げる。

 ようやく、調査官は 6年前の過去に起きた「salmonella poisoning (サルモネラ菌中毒)」事件を思い出す。そのときも、奇妙なことに、感染者は子どもに限られていた。聞き取り調査を行なっても、何も原因は分からない。
 ところが、ついに、全ての感染者の家庭には水槽 (aquariums) があることを突き止める。子どもがペットとして「African dwarf frog (コンゴツメカエル)」を飼っていたのだ。つまり、病原菌は、食べ物ではなく、カエルから感染していたことが判明する。

 そこで CDCの調査官は、感染者の多くが女性であることに気づき、大腸菌が料理に関係し、その発生源は「Gold Medal Flour (ゴールドメダル社製小麦粉)」にあることにたどり着く。その小麦粉は、Missouri (ミズーリ州)「Kansas City」の工場で生産されたものだった。
 さらに、メキシコ料理チェーン店が、子どもの遊び道具として提供した「a ball of tortilla dough (トルティーラの生の練り粉ボール)」で、やはり、子どもが大腸菌に感染していた。その小麦粉も Kansas City で生産された製品に一致する。
 「Gold Medal Flour」が直ちにリコールの対象となったことは言うまでもない。

 CDCのMr Ian Williamは次のように語る。

"Usually, you would expect flour to be cooked before it's eaten. And you wouldn't think a little flour dusted around the kitchen, would be a problem. But it is a raw agricultural product, in the end, from farms where there may be animals(which can spread E. coil). And it's processed in plants where wheat from many different places is ground at once, so one farm's contamination could have a big effect."

[ ふつう、小麦粉は、そのまま食べられないと考えるもの。また、それが台所で少々こぼれても、大したことはないと思いがちだ。しかし、結局のところ、小麦粉は生の農産品。農場では家畜が飼育されていることも多い (したがって、大腸菌が広がる可能性がある)。 各地の農場で刈り取られた小麦は、工場に運ばれ、そこで全ての小麦が一緒に小麦粉に挽かれる。だから、農場が 1カ所でも大腸菌に汚染されると、深刻な大腸菌中毒の原因になりかねないのだ。]

                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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