アマガエル (hyla) は、なんとも愛嬌のある顔をしている。この季節、窓カラスや小枝の葉っぱに張り付いて、人にまとわりついては血を吸う蚊や、害虫アメシロの幼虫を、パクパク食べてくれる。その仕草も面白いので、つい見入ってしまう。
昔の人も、よくカエルを観察したようだ。「イソップ寓話」に幾つかカエルの話が盛り込まれ、「グリム童話」で一番に語られるのは「カエルの王様―鉄のハンス」だ。
さて、そのカエル君。2億年前に超大陸 (supercontinet) の「Pangaea (パンゲア)」が分裂し、さらにその南半分の「Gondwana (ゴンドワナ)」が南アメリカ大陸とアフリカ大陸に分かれたころ、地球上の至るところにカエルがひっそりと生息していた。
ところが、6,600万年、小惑星 (asteroid) が地球に衝突し、カエルに転機が訪れる。
小惑星の落下地点は、メキシコ南東部の Yucatan Peninsula (ユカタン半島) 沖。この衝突で直径 8 kmの巨大なクレーターができた。また、このときに放出されたエネルギーは、原子爆弾 (atomic bomb) の 10億倍以上。その頃、恐竜王国であった地球は、恐竜(dinosaurs) もろとも、生物の 3/4が絶滅に追いやられてしまう。もちろん、「vegetables (植物)」も大打撃を受ける。
しかし、やがて、森 (forests) が再び生気を取り戻すと、そこはカエルにとって心地よい生息環境となり、カエルは地球上で圧倒的な「ecological niches (生態学的地位)」を築き上げる。つまり、小惑星の衝突が切っ掛けとなり、地球は恐竜王国からカエルの王国に変わったのだ。
このとき、カエルは爆発的に増えた。その結果、種 (species) は多様となり、脊椎動物 (vertebrates) の中で最大の 6,700種以上を数えるまでに進化する.。ただし、US-Chinese研究チームが行なった遺伝子調査の結果、現在地球上に生息するカエルは、主として「hyloidea (アマガエル上科)」,「microhylidae (ヒメアマガエル科)」,「natatanura (アカガエル上科)」の 3系統に分類され、そのいずれの祖先 (origins) も、6,600万年前、ほぼ同時 (simultaneously) に地球上に姿を現わしたという。
なお、グリム童話もいいが、「カエル大好き」が、お勧めの一冊は、これだ。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)