戦後、日本が貧しさから抜け出るために、子どもでもスコップ・鍬 (くわ) を握り、手に血豆をつくって必死で働いた。それでも、学校の弁当のおかずに、タマゴ焼きを持って行ける子どもは限られていた。
その日本もイギリス、フランス、ドイツ、北米と並んで豊かになった。豊かな国では、肥満、高血圧・高コレステロール値などを引き起こす食べ過ぎや偏食、運動不足さえ問題になっているが、世界には、常に空腹を抱え、「栄養失調 (nutritional deficiency)」に曝されている子どもも少なくない。
「The World Health Organization, WHO (世界保健機関)」の統計によると、栄養不足(poor nutrition) などが原因で発育阻害 (stunting) に陥っている乳幼児 ( 5歳以下) は、世界中で 1億 5,500万人を数える。
そこで、Washington 大学の Dr Lora Iannotti らの研究チームは、エクアドル山岳地域 (local highlands) の住民の協力を得て、タマゴの栄養効果を確かめるフィールド実験 (field experiments) を実施した。生後 6 - 9 ヶ月の赤ちゃんに毎日タマゴを1個食べてもらい、タマゴをほとんど食べない「control group (対照グループ)」と成長の違いを比較した。
なお、研究チームは毎週、赤ちゃんの家庭を訪問し、お母さんがきちんと赤ちゃんにタマゴを食べさせているか、副作用 (side-effects) など何らかの問題が起きていないかをチェックした。
さて実験開始から6ヶ月が過ぎた。医学雑誌「Pediatrics」に発表された結果によると、
タマゴを毎日1個食べた赤ちゃんグループは、食べないグループに比べて「stunting(発育阻害)」の「prevalenge (罹患率)」が 47%も低くなった。
アレルギーを心配して、子どもにタマゴを食べさせない人もいるが、タマゴは「お手ごろ価格で手に入りやすい (affordable and accessible」)。その上、栄養のバランスに優れているため、すばらしい栄養補充食品 (good nutritious complementary) だ。
「The British Nutrition Foundation (英国栄養財団)」は次のようにアドバイスする。
"While eggs are a nutritious food to include, it's important that young children have a variety of foods in their diets. Not only is this necessary to get all the vitamins and minerals they need, but also to allow them to become familiar with a wide range of tastes and textures."
[ タマゴは確かに栄養価の高い食品に含まれるが、小さな子ども達にとっては、何でも食べることがとても大切。それは必要なビタミンやミネラルを十分に摂取するためでもあるし、色んな食べ物の味と歯ごたえに慣れ親しむためにも欠かせないことよ。]
(写真は添付のBBC Newsから引用。)