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ヨガ行者 (yogi) の秘法「火渡り」:「リアルタイムfMRI」で盗み取れ! (BBC-Future, May 8, 2017)

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 Roald Dahl (ロアルド・ダール) の名作「The Wonderful Story of Henry Sugar (ヘンリー・シュガーのすてきなお話)」には、ヨガ行者 (yogi) の秘法「火渡り」に触れた記述がある。Yogi は、いとも簡単に、青白く燃えている炭火の上を裸足で歩く。
 もちろん、同様の「火渡り行」は、修験道の荒行として、日本でも良く知られている。
 
 では、なぜ、火傷(やけど)もしないで、そのようなことができるのか。
 その秘密を解き明かし、医療に役立てようとする研究が、この 10数年間で、にわかに高まった。研究では、大型のスキャナー装置と脳の電気的活性化計測・解析装置から成る「Real Time functional Magnetic Resonance Imaging (リアルタイム機能的磁気共鳴画像法)」略して「real time fMRI」システムが必要になる。

 被験者には、スキャナー装置に横たわってもらう。そして痛みを伴う刺激 (stimulus)を与えると、脳内の「rostral ACC (前頭状皮質側部)」の活性度 (activity) が画像で表示される。被験者は、直接、その画像を見ながら、痛みにどのように対処すれば、痛みが和らぐのかを、自分自信で体得できるようになるという。つまり、荒行の訓練を積まなくとも、痛みの感覚をコントロールできるのだ。このトレーニングは「Neurofeedback training」と呼ばれる。

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 肉体に与える刺激は痛みに限らず、感情 (emotion) や欲望 (cravings) もコントロール可能と知れると、「real time fMRI」はObesity (肥満)、ADHD (注意欠陥多動性障害)、Dementia( 認知症)、Lapses of attention (注意喪失)、PTSD (心的外傷後ストレス障害)、Depression (鬱病)、Anxiety (不安症)、Cigarette addiction (タバコ中毒)、Parkinson's disease (パーキンソン病) などの治療にも応用されるようになった。次々と論文が発表されている。

"So, While the ultimate potential of the technology remains to be seen, it is not unreasonable to believe that the awesome mind-over-matter abilities of expert meditations that take years to develop could one day be learned by everyone in a fraction of the time."

[ さて、この新技術にはどのような究極の可能性が秘められているのか、未だ明らかではない。しかし、これまで人間が何年も修行してようやく会得した秘術、すなわち達人の域に達した修行者のすさまじいまでの精神超越力が、いつの日か、一瞬にして誰でも身に付けることができるようになるかも知れない。]

 修行の欠けた「superpower」人間は、いったい何をするのだろう。
               (写真は添い付のBBC Newsから引用。)

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