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なぜ、リンゴは一年中売られているの?:そこには秘密が! (BBC-Future, May 4, 2017)

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 秋の果物と言えばリンゴ。しかし、スーパーの売場には秋に限らず、ほとんど一年中並んでいる。そして、日本では地元産にもかかわらず、なぜか驚くほど高い値段で売られている。USAでもリンゴの輸入量は10%以下。しかし、イギリスで消費されるリンゴの 70%は国外産が占める。

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 さて、リンゴは枝からもぎ取られると、植物ホルモンの「ethylen (エチレン)]」を放出し、遺伝子の発現 (expression) を変えて、熟成を促す。この化学反応は温度が高いほど急速に進行する。このため、昔の人は、収穫後のリンゴを地下室や洞窟に保存した。
 その後、貯蔵室を密閉し、新鮮な空気の流入を遮断すると、リンゴはもっと長期保存に絶えることがわかる。

 加えて、貯蔵室内をほとんど無酸素状態 (酸素濃度 0.5 - 3.0%) に保つと、リンゴは呼吸プロセス (respiration process) を緩め、休眠に入ることが明らかとなる。20世紀中頃のことだ。

 さらに、リンゴの生命活動を極限まで止めてしまう方法が、20年前に考案される。
1997年に USAで特許申請が認められた「1-methylcyclopropen (1-メタルシクロプロペン)」。常温では気体の、この化学物質は、エチレンの受容体 (receptors)にがっちり食い込んで、リンゴの熟成をブロックする。

 つまり、現在、リンゴの生産関係者は、貯蔵室の温度、湿度をコントロールした後、内部をほとんど無酸素状態にし、1-MCP を充満させて、リンゴを保管しているのだ。この環境では、リンゴを 6ヶ月以上もパリパリの新鮮さに保つことができる。

 なお、リンゴを蔵出しするときは、リンゴ特有の香りを十分に引き出す工夫がなされていると言う。

              (写真は添い付のBBC Newsから引用。)

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