桜の花は、美しく咲いても、いつかは散るもの。
1760年代、イギリスで始まった産業革命を支えたのは石炭だった。それから、およそ100年後の1882年、ロンドンの「Holborn Viaduct (ホルボーン・ヴァイアダクト)」で、世界最初の「Cetralised public coal-fired generating plant (集中管理型公共石炭火力発電所)」が運転を開始した。そして、その後の 135年間、石炭は、ずっと発電に利用されてきた。
ところが、この 4月2 1日 (金) は、イギリスにとって歴史上の「watershed moment (重大な分岐点)」となった。ついに石炭火力発電所からの電力をゼロにする日を迎えたのだ。
Greenpeace UKのMs Hannah Martinによると、
"A decade ago, a day without coal would have been unimaginable, and in 10 years' time our energy system will have radically transformed again."
[ 10年前には、石炭が必要でなくなる日が来るなんて考えられなかった。10年後、現在のエネルギーシステムはまた急速に変貌を遂げていると思うわ。]
さて、石炭エネルギーの象徴的な存在だった、イギリス最後の炭坑 North Yorkshire の「Kellingley Colliery (ケリングリー炭坑)」は 2015年12月に閉山した。
イギリスは carbon emissions (炭酸ガス排出量) の少ない天然ガスに、エネルギー源を切り替え、今では電力の約 50%が天然ガス、約 25%を原子力でまかない、残る 25%を太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーが担うようになった。
イギリス政府は、炭酸ガス排出量をさらに削減するため、2025年までに現在稼働中の石炭火力発電の全てを廃止する予定だ。
イギリス、日本に限らず、どの国も、一昔前は膨大な国費と数々の犠牲を払って掘り進めた炭坑。戦時中、石炭は「黒いダイヤ」と、もてはやされた。
"The once mighty fuel is being consigned to history."
[ かって強大な力を誇ったそのエネルギー源も、今まさに歴史の片隅に追いやられようとしている。]
平家物語でよく言ったものだ。「おごれるもの久しからず」と。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)