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糖尿病から腎臓病になるって!:タンパク質P2X7Rが悪魔の働き (BBC-News, April 20, 2017)

https://ichef.bbci.co.uk/news/834/cpsprodpb/5BCC/production/_95700532_mediaitem95700531.jpg

[ 糖尿病は血液中の血糖値が高くなる病気。世界中で約 4億 1,500万人がこの病気に罹患している。腎不全を引き起こす主要な原因でもある。]
[ このため、糖尿病患者の約 40%が、腎臓病を患ってしまう。]

"Diabetes results in high levels of blood sugar and affects 415million people globally. It is the leading cause of kidney failure."
"About 40% of people with diabetes eventually develop kidney disease."

  では、なぜ糖尿病患者に腎臓病が発症するのか。
 Edinburgh 大学の Dr Robert Menzies らの研究グループは、その発症メカニズムにタンパク質 P2X7R が深く関与していることを突き止め、研究結果を医学雑誌「EBioMedicine」に発表した。
 
 P2X7R は、「kidney biopsies( 腎臓の生体組織検査)」で糖尿病患者のみに検出されるタンパク質。そのタンパク質が、腎臓の機能を弱め、「kidney scarring (腎瘢痕:じんはんこん)」を増やしていた。

 現在のところ、検証実験は糖尿病マウスを使った動物実験の段階。ただし、タンパク質 P2X7R の生成遺伝子を欠いた糖尿病マウスには、炎症 (inflammation) の傷跡すなわち「kidney scarring (腎瘢痕)」が認められないことを確認した。
 さらに、糖尿病マウスに P2X7R をブロックする薬を与えたところ、腎臓の炎症が食い止められて、腎臓内の「infiltrating kidney macrophages (湿潤マクロファージ)」の数が減少することも明らかとなった。

 この P2X7R ブロック新薬が人間に対して安全であることはすでに立証済み。したがって、研究の次の段階は、この新薬によって、深刻な状態にまで悪化した腎臓が回復できるのかを確かめること。

 今後、被験者を対象にした臨床実験 (human clinical trials ) で、人間に対してその効果が確認されるならば、糖尿病患者の治療剤として画期的な「blockbuster drug (超大型新薬)」となるに違いない。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com