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深海底に眠る宝の山:太陽光パネル素材のテルル (BBC-Science & Environment, April 11, 2017)

 https://ichef-1.bbci.co.uk/news/695/cpsprodpb/4C3E/production/_95281591_seamount-cliff.jpg

 海には深さ10,000mを越える海溝 (trenches) もあれば、海底から高さ 3,000m級の山もある。
 「カナリア諸島 (Canary Islands)」はアフリカ大陸北西沿岸に近い大西洋上に浮かぶ7つの島。その一帯の海底を海洋調査船「James Cook」で調べていた「英国国立海洋センター」の Dr Braum Murton らは、カナリア諸島から 500km以上の地点の海底で「seamount (海山)」を発見した。標高にして約 3,000m、頂上は海面下 1,000mの平らな台地 (plateasu) だった。

 ところが、その山の斜面に樹皮 (bark) のように張り付いた「clust (クラスト)」に研究者は目を見張った。なんと、太陽光パネルの素材に欠かせない希元素「tellurium (テルル)」が、地上の鉱床に比べて 50,000倍の品位 (含有率) で含まれていたのだ。
 今回発見された海山1つのテルルの埋蔵量は 2,670トン。これは世界総生産量の 2/3に相当する。まさに海の中の「treasure trove (宝の山)」の発見だった。

 さて、この「テルル・リッチ・クラスト (tellurium-rich crust)」をどのように採掘するか。問題 (conundrum) は掘削時に巻き上がるダス ト(plumes of dust)。これによって海底に生息する生物は壊滅的なダメージを受ける。たとえば、海洋生物の「食物連鎖 (food chain)」の底辺を形成する「xnenophyophores (クセノフィオフォラ)」は、環境変化に脆弱 (fragile) な「単細胞生物 (single-celled organisms)」だ。これが死に絶えると、その生物に依存していたサンゴ礁が消え、住みかを失った魚はいなくなる。

 それでも、企業、政治家は、原子力エネルギーの開発と全く同じように、なにがなんでもと、屁理屈をつけて採掘に走るに違いない。「クセノフィオフォラテルルとどっちが大事だ」などと言わなければ良いが。
 
                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)