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グローバル経済とカロリーの摂り過ぎ:その奇妙な関係 (BBC-Business, March 15, 2017)

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 今から 50 - 60年前の1960年代、イギリスでも「植物油 (vegetable oils)」は貴重な食材 (precious commodes) だった。Leeds大学 Tim Benton 教授のお母さんも、フライ料理を作るときなど、きちんと計量し、大切 (sparingly) に使ったそうだ。

 ところが、この 30年間で大豆、ココヤシなどの油料作物 (oil crops) の生産量が急増し、安価な植物油が世界中に大量に出回るようになった。その原因は、経済のグローバル化 (globalisation) に伴って植物油の自由貿易が促進されたこと。これに加えて、マレーシア、インドネシアなどの国々が、農家に助成金 (subsidies) を出すなど、輸出用植物油の生産に積極的に関与したことにある。

  世界中のどこでも、安価な植物油が手に入るようになったお陰で、貧困国の飢饉(famine) が救われた面は否定できない。しかし、一方で、地域に根付いていた「地産地消」の食糧生産・消費システムは崩れ、Benton 教授が指摘するように

"The poorest of poor have access to cheep calories."
[ 極貧にあえぐ人々は、安物カロリー食品に手をのばすことに。]

ならざるをえなくなったのだ。そして栄養 (nutrients) バランスも崩れた。
 一例としてアンデスのキヌア (quinoa) が挙げられる。アンデス山脈で 7,000年以上の昔から栽培されて来たこの穀物が、栄養のバランスの優れた「superfood」として、ヨーロッパ・北米でもてはやされると、その価格は急上昇し、地元庶民の口に入らなくなった。

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 この結果、裕福な国以外にも、肥満があふれ、今や地球上の人口の過半数を肥満が占めるまでになった。

"A small amount of fat is an essential part of a healthy, balanced diet. But fats are high in calories so eating a lot can increase the risk of becoming overweight or obese. Saturated and trans fats are also associated with heart disease."

[ 少量の脂質は健康でバランスのとれた食事に欠かせない。しかし、脂質は高カロリーのため、これを摂取し過ぎると、過体重、肥満のリスクが高くなる。また、バター、マーガリン・ポテトチップスにそれぞれ多く含まれる飽和脂肪酸トランス脂肪酸は心臓病に深く関与している。]

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さらに、安い食用油がたっぷりと利用できるようになり、料理まで変わったという。中国やブラジルでは、家庭用料理に大量の揚げ油やサラダ油が使われれているとか。
                (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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