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生乳 (無殺菌乳) チーズ: おいしいけれど、食中毒の危険も! (BBC-News, March 10, 2017)

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 北米、ヨーロッパ旅行の楽しみの一つは、なんと言ってもチーズ (cheese)。これにブドウ、イチゴなどの果物を添え、白いカップにコーヒーを注ぐと、最高の贅沢気分となる。とくにパリではチーズの種類が豊富で、値段が破格だった。

 チーズは牛乳の他にもヤギ乳、ヒツジ乳を乳酸発酵させて作られる。このとき、生乳(raw milk)の「低温殺菌 (pasteurisation)」処理を省くと、殺菌処理して作ったものに比べて、風味 (flavour) も味 (taste) も違ったチーズができあがる。フランス産チーズの 1/5がこの方法で製造されている。

 さて、New York 州の「Vulto Creamery」会社が、生乳(無殺菌乳)を使って製造したソフト生乳チーズ (soft raw milk cheese)、商品名「Ouleout」は「pungent and meaty (ピリッとした味で、肉のようなチーズ)」だった。
 ところが、このチーズを食べた人が「listeria (リステリア菌)」による食中毒を発症し、そのうちの 2名が死亡した。食中毒患者は New York, Florida, Connecticut, Vermontの各州で確認された (計6名)。このため、製造会社は 3月 7日 (火)、この商品のリコールを開始。

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 リストリア菌は、加熱 (cooking)するか低温殺菌 (pasteurisation) 処理で死滅するが、冷蔵庫の中では生き続けるという。
 「The US Centrers for Disease Control and Prevention, CDC (アメリカ疾病管理予防センター)」によると、生乳(無殺菌乳)に潜むリステリア菌で食中毒に罹ると、何日も下痢 (diarrhoea)、胃痙攣 (stomach cramping)、嘔吐 (vorming)に悩まされ、まれに腎不全(kidney failure)、倦怠感 (paralysis)、慢性疾患 (chronic disorders) を引き起こし、死に至ることもあるという。
 とくに、免疫力が弱っている高齢者、妊婦、子どもは危険だ。

  なお、USA の 20州でチーズなどの無殺菌乳製品 (raw milk products) は許可されていないが、25州の酪農家で作られて、13州で販売されている。
 また、イギリスに限ると、生乳 (無殺菌乳) の販売が禁止されているのはスコットランドのみ。生乳も、それから作られたチーズ (輸入品) も販売されている。

 ちなみに「チーズ」に関心のある方には、次の一冊を勧めたい。
・齊藤忠夫:チーズの科学 ミルクの力、発酵・熟成の神秘、講談社ブルーバックス、2016                                                            
                      (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com