ボトルに入ったケチャップやハミガキなどを使い切るあなたの方法は、次のどれ。
・ボトルを逆さにし、その底をトントンと叩く
・ボトルを激しく振る
・ボトルを何かにトントン打ち付ける
しかし、どんなに「もったいない」精神があっても、ケチャップ、マヨネーズ、ハミガキ、ハチミツなどを最後の一滴まで使い切ることは、とても無理。第一、中味がなかなか出てこないし、下手なことをすると、結局、手や服を汚しかねない。だから、大抵の人は、容器にまだ中味が残っていても、ゴミ箱に捨ててしまう。
また、レストランでは、調理容器に cheese soup などの「sticky products (ドロドロスープ)」を入れると、調理後の洗浄が大変。容器の内側や底にも食品が残ってしまうからだ。
イギリス全体で、そのようにして捨てられる食品の量は年間 200 million gallons (約 90万 m3) にのぼると見積もられている。さらに、チューブ・パッケージの生産数は年間 400億本。したがって、チューブに残っていながら、ムダに捨てられる商品も莫大になる。
そこで、「The Massachusetts Institute of Technology, MIT (マサチューセッツ工科大学)」の Kripa Varanasi 教授らが開発した「すべすべ滑らかボトル (slippery bottle)」は画期的だ。
容器内側の表面を、一旦、ザラザラの特殊な膜でコーティングにした後、これを薄い膜で覆い、その上に液体を流して、内側の表面を平らで滑らかなスベスベ状態に仕上げる。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)
この容器を使うと、どんなドロドロ「ケチャップ」、ニュロニュロ「マヨネーズ」でも、容器を傾けると、口元からさっと滑り落ちてくる。テーブルの上ではイライラなし、ムダなしに加えて、容器の内側に中味が張り付かないので、見た目もきれい。
「slippery bottle」の用途は、化粧品 (cosmetics)、糊 (glue)などにも広がりそうだ。ただし、普及するまでには、4,5 年は掛かると見込まれている。
これは、ヒット商品になること間違いなしだ。